去年、箱の部材だけはハチ飼いの友とも呼びたい「ゆのき農林業」から入手してあった。しかし、ダニ対策の誤りで建勢に失敗してWarreへの引っ越しもできず手つかずだった。獲らぬタヌキもいいところだが、来季に向けてWarre巣箱を組み立てておくことにした。
お手本は、このWarre巣箱の設計図だ。
ただし、内寸は維持して部材の厚みだけはニホンミツバチと同じ35mmとし、屋根やキルトの木材は安価な12mmの野地板としている。巣箱本体はゆのき林業でカット済みだが、屋根とキルトは、厚みの違いで寸法を引き直す必要がある。ただし、計算に勘違いがあったり、工作の不手際があったりして、何度かやり直しや部材のムダを出したことは白状しておく。
巣箱本体は箱といいうよりタダの枠である。枠に組む前の板のときに、上桟を掛けるアゴを付けておく。自作の簡易トリマー・テーブルで10mmx10mmのアゴを削るのだが、これがけたたましい騒音と木屑を発生する。電動工具はどれもやかましいが、とりわけトリマーの騒音は他を圧している。
トリマーで上桟用のアゴを付ける 素人は直角と平行を出すのが難しい
巣箱を作るのは、ただ板を直角にネジ止めするだけなのだが、これが素人には難しい。それに木材が1年放置したあいだに反ってきているのでなおさらだ。自然界には直角と平行がほとんど存在しない理由がしみじみ分かる。異なる木材がたがいにこれらの関係を構成することは人工の極みなのだ。ははは、ちょっとおおげさ。
アゴつきの巣箱4つ
屋根とキルトの部材をカットする。野地板は幅が18mmしかないので、屋根板や切妻の部材は2枚を圧着して幅を出す。
カットした部材 霧を吹いて反りを取る
杉板は反りやすい。カットするとますます反りが大きくなる。水を吹いて反りを取ったが、なかなか上手くはいかない。
木工ボンドで圧着 重石は反り対策 幅の広い屋根板は貼り合わせた
12mm厚の杉板同士を角でネジ止めするのは、不器用なものには曲芸に近い。ネジの方向がちょっと狂うとどちらかに飛び出してしまう。同じカ所で何度もやりなおすと材がグズグスになって、カットしなおしとなる。
キルトの枠と屋根の本体
木工ホッチキスでキルトの底に麻布を張る キルト完成(詰め物はまだ)
キルトは10cm高の木枠の底に麻布を張り、中身におが屑やワラ屑など保温・吸湿材を詰めたもの。これを直接巣箱最上段の上桟の上に載せ、上には屋根が被ることになる。つまり、巣箱の上にキルトを支えとして屋根が載るわけだ。
われわれがキルトでイメージする刺し子とは異なる。さきほどのWarreのサイトでは、Quilt の原語はフランス語の Coussin(クッサン)だとしている。英語でそのまま Cushion(クッション)と言われたほうが詰め物をイメージしやすいかもしれない。
屋根の本体 梁方向に渡した板がキルトの蓋に 屋根板との間はオープンな空間ができる
巣箱にキルト(実際には詰め物をする) さらに屋根を載せる
完成
ひと組完成。
まだ上桟と台座(巣門と巣底)の工作が残っているが、ひとまずこれで一段落。
0 件のコメント:
コメントを投稿