2016年3月30日水曜日

粉糖の処置(バロア対策)

バロア対策に粉糖を処置した。粉糖(微粉粒の砂糖)をハチに振りかけると、ハチは必死になって付着した粉糖を振り落とそうとしする。そのとき、ハチの体に寄生しているダニも脱落し、巣箱の底板に落ちる。それを、掃除してコロニーのダニの数を減らす作戦である。

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4時ころにはハチは帰巣している巣枠のあいだに粉糖を振り入れる

粉糖を撒いたら蓋をし巣門も閉じる。そのかん、外へ出ていたハチは巣門へ集中し、巣門が閉じていると知るや、巣門のうえにある網窓の蓋に群がった。おそらく、隙間から巣内の空気が漏れているのだろう。巣門の前にも粉糖を撒いておくと、外のハチも粉糖にまみれる。



少したって蓋を開け、さらに粉糖を撒いて、巣枠に積もった粉糖も刷毛で巣枠間に振り落とす。

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巣枠の上の粉糖も刷毛で落とす

15分ほど経ったところで、巣箱を持ち上げて底板を掃除する。

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底板に落ちた粉糖

掃除した粉糖を発泡スチロールの蓋に受け、室内でバロアの数をカウントした。

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粉糖の山をナイフで掻き崩しながらダニを探す

粉糖にまみれたバロアは生きていて、活発に動いている。しばらく観測すると、逆さになって足をばたつかせるだけで、めったに起き上がることはない。仰向けであがいているうちに、なにか手掛かりにあると、それにしがみつくだけだ。自分から脚を使って長い距離を移動することはない。というかできないようだ。

バロアは通常有蓋巣房内で生活しているが、その巣房の蛹が羽化して蓋が開いたときだけ外に出る。出た瞬間に、周囲を移動する働きバチに取り付いて、次の住まい(つまり、蓋が閉まる直前の巣房)まで移動し、そこで落下する。この状態のバロアをヒッチハイク・ダニ(phoretic (hitchhiking) mites)と呼ぶこともある。そのためか、自ら方向性をもって長い距離を移動するという動作はDNAに組み込まれていないのではないか。

バロアをカウントするため一カ所に集めて、数えやすいように列に分けておいた。翌日に見ると、その列はわずかにくずれていたが、バロアが別の場所に移動した形跡はなかった。一晩おいても、少し刺激すればたちまち脚をばたつかせるので、死んだわけではない。

この状況からすると、粉糖処置で底に落ちたバロアは、そのまま放置すれば、巣底をあるく働きバチに取り付いてもとの状態に復してしまうだろう。

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バロアをカウント 約150匹

翌日になってもバロアの活力はとくに衰えを見せなかった。



春先から夏へかけての建勢でハチの数は急激に増加する。しかし、バロアの増加はそれに輪を掛けた速度で増加するというデータが出ている。だから、春先にバロアの個体数があるレベルを超えていると、ハチは負けてしまいコロニーは崩壊するのだ。この時期にバロアを叩いておくことは重要な意味がある。

2016年3月28日月曜日

トリマーテーブルを作る…………!?!?

丸鋸テーブルは買ったが、トリマーテーブルは自作してみた。理窟は同じで、テーブルにトリマーを天地逆に取り付ける。危険度は丸鋸ほどではないし、工作もさほど面倒ではない。

ベニア板に丸い穴を開け、トリマーのベースカバーを取り付けるだけだ。

精度を云々しなければ、簡単に工作できる。

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天地逆に取り付け回転する刃が下から出る

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フェンスらしきものも…………

あとは天板をワークベンチに固定するための角材を2カ所に止めれば良い。

とまあ、ここまでは簡単にできて、本日の作業はおしまい。

事故、出来

丸鋸でもトリマーでも同じだが、こうした使い方をすると電源のオン/オフが面倒になる。本体がテーブルの下にあるから、工作の作業をしながら本体の電源スイッチも操作しなければならない。工作内容にもよるが片手での作業は危険が増すし、不可能なこともある。

こうした場合、本体の電源スイッチをオンの状態にロックしておき、別途設置したフットスイッチなどを使って電源をオン/オフする方法が採られる。

で、問題になるのは、フットスイッチなどで電源を切ったとしても、本体は電源オンの状態にロックされているということだ。作業が終わったときは、忘れずにロックを解除しておく必要がある。もしもオン状態のまま作業を終え、次回に作業を開始したときに、うっかり電源コードを差し込めば、その瞬間から装置は起動し、状況によって事故に直結する。

その確認をするために、最後にトリマーの本体を手持ち状態で、電源スイッチを操作してみた。視認すれば分かるものを、あさはかにも実際に電源スイッチを操作してオン/オフしてみたのである。当然、いずれかの状態でトリマーの電源が入る。

電流が流れた瞬間にトリマー本体の内部で毎分3万回の回転運動が発生する。軽い気持ちで手に載せた程度だから、その反動でトリマーが手から落ちた。はっとするまもなく高速回転する刃先は自身の電源ケーブルに接触し、被覆の黒い破片が弾け、火花が飛んだ。とっさに、電源を引き抜いたが、ときすでに遅し。ケーブルの被膜は完全に刮げられ、内部皮膜がはみ出し、さらに導線まで覗いている。

動転して写真は撮り忘れた。

火花は飛んだが、さいわい導線に刃先が接触したことによるもので、電源のショートには至っていなかった。もしショートしていたら、ケーブルから一斉に煙がでて燃え上がったはずだ。

トリマーの切っ先が落ちた先に自分の足があったら…………

気を取り直して、トリマーを分解してケーブルの接続状態を確認した。これならメーカー修理に出さずとも自分でなおせると判断。木工より電気工事のほうが得手か?

パソコンの電源ケーブルと比較してみると、皮膜は厚いが撚り線の本数も径も同じだったので、末端をチョコチョコッとだまして、破損したケーブルと交換した。

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切断して構造を確認したオリジナルのケーブルPC用のケーブルに交換した ちょっと短いが

怪我がなくてよかった。

丸鋸の凶暴さに比べれば、トリマーはまだましだが、それが油断に繋がったようだ。

いい勉強になった。

2016年3月27日日曜日

オキナグサもそろそろ

オキナグサもそろそろ咲き出す。

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地植え鉢植え

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さすがに山仲間より頂戴のデジカメだと和毛までよく写る

かってに生えてきたアブラナ科をほっておいたら、こんな花が咲いた。

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マルチを廃止したわがやのタマネギとニンニク(奥)の畑。緑の絨毯にヒメオドリコソウと野菜が共生している。これだけ雑草が多いと収穫量はそうとう減るだろうが、この風情は捨てがたい。もちろん、雑草があまり繁茂するところは間引いているが。このなかでも、ナガミノヒナゲシがどんどん勢力を伸ばしているところが、悩ましい。

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緑なすわが畑 手前はタマネギ 奥はニンニク


2016年3月26日土曜日

キブシやらハクモクレンやら

プロジェクトのハチの世話に出かけた途中、見掛けた春の花。

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キブシ

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このあたりでは春先一番に目立つ木の花

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ダイコンの花…………で、どうするんだ?

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根元はこのとおり

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遅まきながらハクモクレン


2016年3月25日金曜日

巣箱リフト

ラングストロース式の場合、巣箱を増設するには、蓋を開けて、その上に継箱という増設専用の巣箱を載せればいい。しかしWarreの場合は手順が逆になる。増設用の巣箱は下に置くからだ。ということは、巣箱全体を持ち上げて、その下に新しい箱を設置し、もとの巣箱をその上に載せることになる。これを独りでこなすのは難しい。

そこで、巣箱のリフト機構が必要になる。これだけはラ式よりWarreは余計な装置が必要になる。

じっさい、Warre Beekeepingのサイトにもそうした装置の紹介があるがまるでギロチンみたいだ。

いささか大仰なので、簡便な方法を考えた。石灯籠やヤマザクラの復元で滑車を買って、その使い方を憶えたので、その応用。脚立を支持装置にして、滑車を上に3つ、下に2つ組みにして、巣箱の重さの4分の1の力で引き揚げられるようにする。

吊り上げたときの安定のために、巣箱に取っ手を左右と後側との3カ所に付けて、3本のロープで引き上げる。

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巣箱リフト 台座の上に巣箱2段とキルトを載せてある

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上3つ下2つ

巣箱は2段として、屋根は外しキルトは残して引っ張ってみたが、なんなく片手で揚げることができた。

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これだけ揚がれば増設分の箱を台座に載せることができる

ハチが棲んでいる巣で蜜が満杯だとすれば、相当な重量になるが、かりに巣箱が20キロあったとしても5キロの力で引き揚げられる。細部の仕組みは多々改良の余地はあるが実用性は確認できた。

2016年3月24日木曜日

ニホンミツバチのWarre式巣箱

筑波あたりで今年の分封が始まったという情報が届いたというのに、まだ巣箱ができていなかった。組立の途中で、電動ドライバ・ドリルが壊れてしまい、修理に出したために、2週間以上、作業が停滞してしまったのだ。

ドライバ・ドリルが戻り、丸鋸と丸鋸テーブルという新兵器も手に入り、やっと巣箱が1セット完成した。サイズをニホンミツバチ用にしただけで、基本構造はWarreである。

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巣箱はふつうの重箱ただし上桟を使う

セイヨウミツバチ用の巣箱を作ったとき、上桟はちょうどよいサイズの材があったので買ったのだが、今回は丸鋸が使えるので、いちばん安いスギの野地板で自作した。費用は大幅に安くなった。

屋根の切妻の形状などは、丸鋸のおかげで正確に切り出せ、時間もかからなかった。

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切妻屋根と中蓋

独自構造の台座も丸鋸のおかげでネットや底板を出し入れするために必要な溝が、トリマーよりきれいに素早くできた。

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屋根の中に入るキルト台座の部材

台座もセイヨウミツバチの巣とほぼ同様に作る。ネットと底板は引きだして掃除やカメラの撮影ができる。

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台座 巣門側台座 裏側を外すとネットと底板が引き出せる

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ニホンミツバチの巣箱が1セット完成

例によって、細部で多々失敗がある。その反省を取り込みながらもう1セット作るつもりだ。

はたしてニホンミツバチの分封群が来てくれるだろうか。

捕らぬタヌキも極まれり。

丸鋸スタンド

丸鋸に限らず、ジグソーやトリマーでも、本体を動かして切断するのとは逆に、本体、つまり刃(歯)先を固定しておいて、木材を動かして操作するほうが正確に切断できる。とくに丸鋸のように本体が大きいと、寸法の小さい木材はとても操作しにくいし危険だ。

というわけで、丸鋸スタンドなるものを入手した。最初からスタンドに丸鋸のセットしてあるテーブルソーという製品もあるが、機能や精度の違いもあって、そちらは値段の桁が違う。

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手前左 傾斜定規 右 平行定規 奥 安全ガイド(この内部に丸鋸の歯が出る)

丸鋸は上向きに取り付けることになるが、そうすると手持ちの歯の回転方向が逆になるので、感覚的に少し戸惑う。

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丸鋸を取り付けたところ

値段からしてさほど期待はなかったが、この平行定規にはいささか失望。ネジ止めで歯からの距離を調整するのだが、締め付けると左右に振れ、縦の面も傾く。

丸鋸スタンドの安全ガイドは、三角形のカバーと割刃(スプリッター)から構成されている。

カバーはもちろん剥き出しの刃を覆うものだが、左側から木材を送り込むと、カバーは材に押されて持ちあがる。丸歯で切断された木材は右の割刃(カバーの支点となる面だが、丸鋸の歯と同じ平面になるよう全体をセット)によって進行方向を規制されるのでキックバックを防ぐことができる。

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安全ガイドと割刃

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実際に使ってみると、平行定規は短すぎて、木材の長さによってさらに長い副え木が必要になるし、すでに書いたように平行の精度を出すには相当に苦労をする。また、安全ガイドも、切断ではなく溝掘りに使おうとすれば、取り外さざるをえない。

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溝掘り

いろいろ工夫は必要だが、手持ちの場合に比べて、作業範囲が広がることは確かだ。

2016年3月21日月曜日

ハチの巣箱交換

昨日、ハチの巣箱をラングストロース式巣箱の10枠サイズから7枠サイズへ交換した。Warre巣箱への移行とバロア・ダニ対策への準備だ。

7枠の巣箱はWarreへの移行のために底板を外したもので、一時的に底板をもとに戻してステップルで仮止めしてある。

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左の小さい巣箱へ巣枠を移動する

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小さい巣箱を元々の大きい巣箱の位置へ置く

まず現在ハチたちが住まいする巣箱を前方に移動し、その跡に小さい巣箱を置く。それから、両方の蓋を開けて、巣枠を1枚ずつ移す。この作業はハチが乱舞するなかで実行するので、写真を撮るどころではない。

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現在の巣箱から巣枠を引き抜き……小さい巣箱へ移した

新居の巣門前の板に出ているハチたちは何事か相談しているかのよう。また、巣門に並ぶハチたちは中の空気を入れ換えるかのように、しきりに羽ばたいて送風している。

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巣門の前のハチたち

巣門の前の騒動を動画に撮ってみた。後半ぼけてしまったが、カメラまかせ。



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しばらくすると何事もなかったかのように静まったが…………巣内はどうかな?

元のラ式巣箱は、ニホンミツバチの分封群を捕獲するための待ち箱として使う予定。

2016年3月15日火曜日

早春のハチと花

昨日は、南岸低気圧が通過して、冬のだめ押しのような寒風と冷雨が終日つづいた。もう冬囲いを解いた巣箱が心配で、朝食後に窓を開けて庭の片隅の巣箱に目をやると、ひさびさに巣門の前にハチの盛大な群舞が繰り広げられていた。おもわず顔がほころぶ。

巣門は大渋滞

冬用の巣門を開放

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ラッパスイセンスノードロップ

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オオイヌノフグリ ヒメオドリコソウニンニク 嘉定種

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雑草と格闘するタマネギ越冬して復活した茎ブロッコリー

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オキナグサ