2018年3月31日土曜日

巣門段の差換えと増段

冬の間、巣門段と巣箱2段に減らしてあった巣箱を、健勢期へ向けてハチ数の急増に備えて増段する。ついでに、巣門段を新しいものと交換しよう。


 現在の巣箱 巣門段の上に巣箱2段

吊り上げ三脚をセット。屋根と巣箱2段くらいなら抱えて移動すればすむが、作ってから1度しか使っていない吊り上げ装置を使いたい気持ちも抑えきれない。


 吊り上げ装置を1-2段にセット

吊り上げ三脚とロープをセットして1、2段を静かに引き上げて固定。現在の巣門段を外して、新しい巣門段と巣箱に置き換える。


 新しい巣門段と巣箱 これまでの巣門段と敷板は左下に置いてある

巣を引き上げても内部のハチに動揺はなく飛び出してくる気配はない。ただ、新しい配置では巣門の位置が少し高くなるので、戻りバチは巣門の下の方で右往左往するが、やがて気づいてすんなり入っていく。

 戻りバチは下の方で右往左往

巣箱が持ち上がった状態で内部を撮影した。多くのハチが採蜜に出ているのでハチの数は少ない。中央の3枚の巣板は今年作ったものだろう。まだ王台の気配はないし、オスバチの姿もない。この群の分封はだいぶ先のことになりそうだ。


 巣内の状況 中央の3枚の巣板は今年作ったものだろう

静かに巣箱を下ろす。

 静かに巣箱を下ろす


 吊り上げ三脚を外したところ

新しい巣枠段は前面が扉になっていて、扉の下端に巣門が切ってある。扉を開けてカメラを差し込めば巣内の撮影ができる。


 これは別の巣門段だが形式は同じで巣門ごと扉が開く


 扉を開けて撮影した巣内


 完成

ポリカの波板の上にさらに板と屋根が載せてある。背後のコナラの葉がまだ茂っていないので、雨が波板に直接当たると、そうとうな騒音を発生する。それを防ぐためで、夏になれば必要ない。

2018年3月30日金曜日

待ち箱を設置

待ち箱を設置した。

現在、ニホンミツバチが営巣している巣箱の周囲には集合板を設置してある。分封群がこちらの意図どおりにそれらの集合板にたかってくれて、それをタイミングよく見つけて捕獲できるかどうかは運次第。

運次第は同じなのだが、もうひとつ方法がある。通常、分蜂群は、競合を避けるために元巣からある程度離れた場所に新居を探す。この性質を人間の悪知恵で籠絡し、本巣のすぐ近くに置いた待ち箱にルアー(分封誘引剤)を吊るし、強引にその待ち箱に誘導するという手だ。これを試してみることにした。


待ち箱#1 元巣のすぐ近くに置いた待ち箱(左側) これにはルアーを吊るす

つぎに、去年逃去した群の巣箱を置いてあった場所に待ち箱#2を置いた。場所的にはここが一番条件が良く、逃去群もこの場所で捕獲したものだった。


 待ち箱#2

以上2つの待ち箱は上桟式(トップバー)の巣箱で、入居すればそのまま永住?の巣として使用できる。

 待ち箱#2、#3、#4(手前から順)

その奥には、余っている巣箱を使って待ち箱#3、#4を設置した。待ち箱#3は、セイヨウミツバチのラングストロース式巣箱の上に去年逃去したニホンミツバチの巣を置いたもの。逃去した群が一昨年に入居したのは、この洋バチの巣箱だった。どちらでもお気に召すほうを、である。


 待ち箱#3(下はセイヨウミツバチの巣箱、上は逃去した群の巣箱)


 待ち箱#4

#4は巣門が縦に切ってあり、巣門の右上に寄せ穴も開けてある。直径9mmの丸い穴で、その名前の通り、分封群の入居率を高めるという研究がある。実際、上記ラ式の巣箱には寄せ穴を開けてあるが、入居したハチたちは好んで寄せ穴から出入りしていた。


 縦の巣門と右上の寄せ穴

近接して複数の待ち箱を置いてもあまり効果はないかもしれないが、それぞれ巣箱の形状が異なるので、あるいはハチの好き嫌いに対応できるかもしれない。下手な鉄砲である。

2018年3月27日火曜日

蜜蝋の抽出/集合板の設置

保存しておいたニホンミツバチの巣をガーゼに包んで湯煎して蜜蝋を抽出した。抽出液の冷えないうちに集合板や巣箱の上桟に塗布する。


 蜜蝋が個化する前の抽出液(温度は60数度以上)


 集合版に蜜蝋を塗布

 上桟の三角柱スターターを蜜蝋抽出液にディップ


 温度が下がって蜜蝋が個化

蜜蝋を塗った集合版はさっそく巣箱の周囲に設置した。


 集合板を配置

この集合板のどれかに分封したハチがたかってくれて、それが飛び去る前にこちらが気づいて、それをぶじに捕獲できるか? これから、いくつかの幸運が必要になる。

2018年3月26日月曜日

待ち箱2組

分封群の捕獲を目指して、ありあわせの巣箱と新規作成の上桟式巣箱を組み合わせて待ち箱を2組完成した。分封群が入居してくれれば、そのまま上桟式のハチの住まいとして使うことができる。ただの待ち箱ならすでにある巣箱をいくらでも流用できる。


 待ち箱2組 各3段構成


 一番下の巣門段には扉を付けた 巣門兼扉段だ


 巣門ごと扉が開く

いろいろやってみた結果、最下段を巣門兼扉とすることで巣内の観察や給餌がやりやすくなることがわかった。巣門兼扉段の下に、必要に応じて夏は換気用にOMF(網床)を、冬は掃除用に引出段を置けばいい。


 最上段と蓋の間に保温防湿用のキルトを置く


 最上段は上桟式巣箱


 三角柱をスターターとした上桟

待ち箱を現場に設置するのももう間もなくだ。

2018年3月22日木曜日

春の巣門

冬場は積み木で巣門を狭くしておいたが、彼岸も過ぎたので開放した。


とりあえず元気みたい

白や黄色の花粉を持ち帰るもの、巣箱の底に落ちた巣片を運び出すもの。春の巣門は忙しそうだ。巣底には古い巣を齧った屑がだいぶ貯まっていて、スムシの巣もできていたので掃除をする。しかし、オスの巣蓋は落ちていない。油断はできないが、分封へ向けての活動はまだ始まっていないのかもしれない。


2018年3月7日水曜日

集合板とキルト

あきらかに春の気配が感じられるが、まだ冬もしぶとくわだかまっている。ハチ飼いには落ち着かない時期である。

ニホンミツバチの分封に備えて分封集合版を作った。すでに、昨年作ったものもあり、その補修もした。

春はハチたちの巣分かれのシーズンだが、巣分かれした分封群は、すぐに飛び去るわけではない。事前に目星をつけた複数の候補のなかから最終的な新居が決まるまで、いったん巣からほど遠からぬ木立の幹や枝に集合する性質がある。ハチ飼いは、ハチたちが集まりやすいような構造物「分封集合板」を工夫して、巣の近くにこれを設置する。こちらの思惑に乗って、巣分かれしたハチが集合版へ集まってくれればしめたもの。一網打尽にして、用意した新居へ強制移住してもらう。これに失敗すれば、飼育群の現女王とハチの半分近くを失うことになる。

昨年作った集合板は、こんなものだった。

昨年の分封集合板


 今年の集合板2つ


 板焼き処理

板焼き処理をしたあと、ハチがたかりやすいように、昨年のものは金網を張り付けた。今年は、最初は使い古した麻布を張るつもりだった。しかし、実際にハチたちがこれに掴まったときの荷重を考えると、麻布の強度にもよるが、すこし頼りない気がしてきた。

ふと足元を見ればくたびれて結束のほぐれたヨシズが転がっている。竹製の集合版にはよくハチが集まるという説を思い出し、タケならぬヨシでもいいのではないか…………


 ヨシを張り付けた集合板 昨年製もヨシに張り替えた

実際に設置するときは、直前に和バチの蜜蝋を塗布してやろう。

ついでに、先月作ったキルトも底布を張った。


 キルトに底布を張る

それにしても今日は寒い。いったん気温が緩んだからよけいにそう感じるのだろうが、終日、寒風が吹き付けていた。

まだかなあ。

2018年3月2日金曜日

味噌の仕込み

去年はブログに記載し忘れたが、通常から大幅に遅れて6月20日に味噌を仕込んだ。時期的に少し遅かったせいでいつも使っている大豆が売り切れ。そのうえに夏の気温が低めだってこともあり、どうも熟成が十分ではなかったようだ。いま食しているその味噌は香りも味も物足りない。それに懲りて、今年は味噌仕込みのハイシーズンである2月にいつもの豆で仕込むことにした。

味噌の仕込みで一番体力を使うのは大豆を潰して塩切りした米麹と混ぜ合わせる作業だ。大豆を潰すにはマッシャーを使っていたが、今年はミートチョッパーを試してみることした。うまくいかなければいつでもマッシャーに戻せる。まあ、体力の減退に応じたツールの導入ということだ。もっともこのチョッパーは台所の奥に眠ること40数年、その間まったく未使用の古参で、はたして機能するか?


 使い慣れたマッシャーと古参のミートチョッパー

2月27日

7キロの大豆は3.5キロずつ2回に分けて仕込む。我が家の鍋の大きさからも、自分の体力からも、一度で仕込めるのはこれが限界である。


 緑の大豆が美しい 煮るのが惜しいようだ

大豆と水を入れた鍋を9時半に着火し、2時間ほどで大豆は茹が上がる。茹で上がった大豆は蓋付きの桶に移して保温しておき、すぐに2回目の豆を火に掛けておく。


 薪は開墾で伐採したエノキ


 薪を取りにヤブを分けたらフキノトウ ふふふ、夕飯の一品

ミートチョッパーをはじめて試してみた。緑の大きな漏斗は豆をたくさん入れられるが途中で詰まってしまう。

 緑の大きな漏斗は豆がつかえてしまう

緑の漏斗に替えて小さなアルミ製を使った。


 慣れない手順でだいぶ大豆をこぼした もったいない

 左手で豆を盛った漏斗を支え、右手でチョッパーのハンドルを回す。マッシャーと違ってほとんど力は要らない。ハンドルを数回回すと、穴の多数の開いたプレートから豆がニョロニョロと出てくる。大豆は完全に潰されて滑らかだが、いかにも手作りを思わせる粒つぶ感がまったくない。


左の小桶は塩切り麹、 右の大桶は潰した豆

潰した豆を右の大桶に入れ、左の小桶から塩切り麹をすくってまぶす。これを何度も繰り返す。

大桶に大豆と塩切り麹をすべて入れ終わったら、これをまんべんなく混ぜる。気軽に混ぜるといっても総量で13キロほどあるから相当な腕力を要する。

まんべんなく混ぜる

大豆と塩切り麹を混ぜ終わったら、仕込みの桶に詰め替える。このとき何層かに分けて、拳で突固めながら生地の空気を抜いてゆく。味噌は嫌気性の乳酸発酵だから、この空気抜きが重要。

今回はおまけにコブがついてきたので、それを途中で敷く。当然、旨味と香りがでるはずだ。


 コブを敷いて風味を添える


 突固めた味噌の生地約13キロ

1回目の仕込みが終ったのは12時半を回っていた。

ちょいと昼ご飯休憩。もちろんその間、2回目の大豆は竈に掛けてある。

食後、2回目を開始。どうもミートチョッパーのニョロニョロに好感が持てないし、粒つぶ感も欲しいので、午後はマシャーを使って自力で豆を潰す。チョッパーより格段に労力を要するが時間的にはこのほうが早い。


2回目はマッシャーで大豆を潰した

3時半で2回目の仕込みが終了した。

最後に、桶と生地の間を酒粕で目張りして、ラップを掛け、中蓋と重石をして終了。


酒粕で目張りをする
我が家の環境では、ラップで生地を密閉しただけでは周囲に黒カビが生えてくる。酒粕で目張りをすることでカビの発生を大幅に抑えることができる。


生地にラップを掛ける


中蓋をして重石を載せる 両方で正味約26キロ

これで仕込み終了。

秋にはうまい味噌が味わえる。