2018年5月30日水曜日

カキノキ群を3段へ

6月20日にカキノキ群の2段目に上桟をセットしてから、もう9日も過ぎてしまった。その後、1段目のハチの数が少なく、ハチ球がもっぱら2段目にのみできてるので、24日には、1段目と2段目を入れ替えるという荒業をやってみた。それでも、結局、ハチ球は2段目にしかできなかった。

いずれにしても、このままだと巣脾が2段目と巣門の境界を超えて伸びてしまいそうだ。

今日確認すると、ハチ球の最下部はもう巣門段に5cmほども垂下していた。しかし、ハチ球は巣脾よりもだいぶ大きく膨れる。実際に巣脾がどこまで伸びているかハチ球の底を棒で探ってみたところ、まだ巣門段との境界は超えていないようだった。それなら、3段目に上桟をセットした状態で継いでも巣脾を潰すことはない。ハチたちにはいささか迷惑かもしれないが。

 
巣箱2段+巣門段 → 巣箱3段+巣門段構成へ

1段目にどの程度ハチがいるか気になったので、覗いてみた。2段目に上桟を設置したときにくらべてだいぶハチの数も増え巣脾も大きくなっているようなので、一安心。つでに巣脾が巣箱に貼り付いている個所はそっと蛸引を差し込んで切り離した。

 
巣脾は左側だけ巣箱に貼り付いていた

24日の入れ替えのときに貼り付いた巣脾は切り離している。こまめに切り離しをしないと上桟を取り出して内検することができなくなりそうだ。そうなっては上桟式の意味が大半なくなってしまう。

 
手前は屋根を外して下ろした1~2段目、奥は継箱する3段目

 
巣箱3段+巣門段

 
16:25 3段目の様子

夜、巣内を撮影してみた。左側は巣の奥(巣門と反対側)で、あぶれたハチが数匹見られるだけで、ハチたちは1~2段に収まっているようだ。上桟が巣脾を潰した様子もないので、棒での触測?どおり巣脾は境界を超えていなかったのだろう。

1段目も2段目もまだ巣脾が作られていない上桟が残っている。今後、巣が成長して、1~2段が満杯になったとき、はたして3段目に巣作りを進めてくれるか、それとも、去年のように逃去してしまうのか。ただ、去年は1~2段から巣脾を3段へ下ろすという操作は試みていない。それをやれば、3段目にも巣を伸ばしてくれるのか、はらはらしながら見守っていくしかない。

2018年5月21日月曜日

ヤマザクラ群の2段目に上桟をセットする

今季に捕獲した2群は上桟式の巣箱に営巣している。いずれも巣箱2段に巣門段の3段構成だ。待ち箱としても使ったので上から2段目には上桟をセットしてない。今後も上桟式の巣箱で飼育するためには、2段目にも上桟をセットする必要がある。

その際、ただ1段目を持ち上げて2段目に上桟をセットするのではなく、すでにある程度の巣作りができている1段目の上桟の中から卵や幼虫の居るものを2本、2段目へ移す。

ヤマザクラ群

 
左側は見台。上桟をセットした巣箱を用意しておく

巣脾が巣箱の側面に固着していることが予想されるので刃を落とした蛸引きを用意した。

 
蛸引き

 
巣の奥から1、2枚目を引き抜き見台に置く

奥から1、2枚目の巣脾は難なく引き上げることができたが、3枚以降はすでに巣箱の側面に糊着していたので、蛸引きで切り離した。

 
3枚目 すでに巣脾は25cmほどまで伸びていた 先端部まで有蓋蜂児の巣房がある

3枚目の巣脾を巣箱から切離して見台にセットしてみると長さが25cmほどあった。しかも、先端部分まで有蓋蜂児の巣房がある。巣箱1段は18cmしかない。長さを18cm未満にカットすると、有蓋蜂児が犠牲になる。カットした巣脾を上桟に取り付けて巣内へ戻す手もあるが、今回、そこまで準備していなかった。ここは、上桟のセットは諦めて、取り出した巣脾付き上桟を元の巣へ戻すことにた。

 
取り出した上桟を元巣へ戻す

 
どうもお騒がせしました

今後、ヤマザクラ群の巣箱をどう管理するか、しばし悩ましい。

巣脾の成長は予想以上に早い。これでは10日遅れで捕獲したカキノキ群も上桟をセットしたほうが良さそうだ。

カキノキ群

こちらはまだ巣脾の固着はなかったが、巣脾の長さはすでに18cmを超えているものが3枚あった。

 
巣脾の長さ蛸引きで18cm内にカット

 
新しい巣脾 じつに美しい

カットした巣脾は1段目へ戻し、その他は2段目へ移した。

 
2段目を元に戻す

夕方の様子

いずれも荒療治だった。夕方、その後の巣内の様子を撮ってみた。

 
ヤマザクラ群

 
カキノキ群

とりあえずどちらも落ち着いているようで一安心。

しかし、解決すべき問題は差し迫っている。ヤマザクラ群は巣脾をカットして上桟式営巣を続けるか、あるいは落下防止棒を入れて重箱式に切り替えるか。カキノキ群もすでに2段目の巣脾長が巣箱の高さ18cmに達している。さらに3段目を継ぐべきか、あるいは巣門段を巣底に差換えて2段で営巣さすべきか?

2018年5月13日日曜日

第3分封は去る

今朝、8時ころに巣箱を見に行った。巣門を出入りするハチたちの動きに不穏な気配があった。いつものように活発に飛び回るのとは違い、なにか切迫した雰囲気が漂っていた。

家に戻って、新しい巣箱を作るために2箱分の部材をカットをした。一段落したので昼食の前にもう一度巣箱を見に行った。

ハチ場は騒然、またも分封である。

 
巣門はごった返している                羽音が空から降ってくる

残念ながら今回は蜂球の場所を突き止めることはできなかった。やがてハチ場の裏に広がるちいさな森にハチたちは姿を消していった。

 ハチ場の裏の森(斜面林) 稜線の上がハチ場

未練がましく森の中を下る道路へ回って、もしやどこかに蜂球がと探してみたが、森閑としてハチの羽音は聞こえてこなかった。

第3分封は去った。この森は県道を隔てて大きな森へと続いている。どこかで安住の地を見つけて子孫を増やしてくれることを願っている。

 
元巣 分封前                     第1分封後

分封後の様子を見てみると、第3分封したハチは第2分封より少なかったようだ。分封の回数が増えるほど元巣にも分け与える余裕がなくなってくるのだろう。

 
第2分封後                      第3分封後 蜂球が薄くなって巣脾が見える

2018年5月12日土曜日

第2分封を捕獲

このところ悪天が続き、巣内を見てもハチが増えて満杯になってきた。お天気さえ好転すれば、いつ第2分封が起きても不思議はない。

昨日(2018/05/11)はスッキリ晴れた。風は少しきつかったが分封が期待できる。朝7時から1時間おきに元巣の観察を続けたが、午前中はなにも起きなかった。


ハチ場へ向かう途中から撮影 左側のコナラの下に元巣がある

昼食後も変化なく、分封は明日かなあと思いながら、2時過ぎにハチ場へ向かった。すると巣門が騒々しい。空を見上げるとハチが乱舞している。

 
巣門からハチが溢れ出る                乱舞するハチたち

残念ながら巣箱の近くに掛けた集合板にはハチの姿がない。どこへ行くのかと見ているうちに、また第1分封と同じ様に消滅してしまった。やれやれ、またも出戻り分封かと落胆して、家へ戻る。ちょうど、上掲のコナラの森の写真を撮った辺りを通り過ぎようとしたとき、行きがけは見なかったハチが飛び交っているのに気づいた。立ち止まって周囲を見渡す。通路の右側はお向かいの畑、左側は丈3mほどもあるアズマネザサのヤブになっている。そのヤブに生えたエノキの若木に蜂球ができていた。笹の葉で覆われているのであやうく見逃すところだった。分蜂群は、近場に掛けておいた集合版には見向きもせず、巣から30mほど離れたヤブの陰に集合したのだ。これまで自然入居は2度経験しているが、飼育群の分蜂群が作る蜂球を見るのはこれがはじめて。


分蜂群はヤブの中に集合

どうにかこれを捕獲して、我が家の飼育群としたい。笊付きの捕獲網は用意してあるが、蜂球の高さが3mそこそこなので、その下に脚立を置き、そのうえに巣箱と巣底を載せておき、当方は脚立に登ってブラシで箱の中に蜂球を掃き落とすことにした…………と書くものの、なにせはじめての蜂球捕獲、無我夢中で細部はよく憶えていない。

そのまえにまずヤブを開かねばならない。エノキの下まで近づけるようにササを刈り、蜂球の全容が見えるようになった。


ヤブを開いて蜂球を直視 なかなか立派な蜂球だ

脚立の上に置いた巣箱を巣底ごと左腕に抱えて脚立を上がり、右手に持ったブラシで静かに蜂球を根こそぎにする。群はどさっと箱の中に落ちた。ひと掃きしただけでハチはまだ残っていたが、さらに刺激すると荒れるかもしれないので、残ったものは放置した。抱えた巣箱をまた脚立の上に戻して蓋を閉める。


 脚立の上に巣箱と巣底を載せておく

この作業も面布なし、素手でやってみたが、ハチたちはぼくを刺さなかった。しかし、重い巣箱を下ろす際などに数匹のハチを潰してしまったことは白状しなければならない。ハチを潰すとフェロモンが発散して攻撃的になるというが、そういうことはなかった。ハチを潰したことで自分が慌てて動作が荒くなるので、ハチが驚いて刺すのではなかろうか。たった一度の経験で大きなことは言えないが、たとえハチに刺されても反射的な動きをしないことを心すべきか。

 
残ったハチたち                     巣門からゾロゾロ入ってゆく

巣門は開けてあるので、そのまま夜まで置いておけば残りのハチも巣門から巣内へ入る。もしそうならなければ、箱の中に女王が居ないことになり、捕獲は失敗である。

分封前と後の元巣を比較しておこう。

 
元巣 分封前                     分封後

夜になって取り残されたハチがいないことを確認し、定住してほしい場所へ運んで、巣枠式の巣箱に移ってもらった。この巣箱はカキノキの脇にあり、アジサイ類に囲まれている。

 
定住巣箱へ移す                    やがて静かになって

翌日、夕方の様子。


カキノキ群

自然入居群に比べて強制入居群は定着しにくいという。願望も込めて、このハチたちをカキノキ群と呼ぶことにしよう。

2018年5月4日金曜日

ヤマザクラ群を初めて内検

入居から4日。巣箱の背後に佇立する樹種に因んでこの群をヤマザクラ群と名付けた。となると元群はコナラ群となるかなあ、思案中。今日は巣の屋根を手入れするついでに初めての内検を実施した。ヤマザクラ群は、待ち箱の段階で上桟式の巣箱を使ったので、重箱式と違って蓋を開けて上桟を引き上げて観察することができる。

まだ入居して日も浅いのでざっと巣のでき具合を確かめるために、巣箱の奥の方から巣門へ向かって順次見てみることにした。

当方の場合、普通の内検では面布や手袋などは着用しない。ハチは刺せば自分が絶命するから無意味に人を刺すようなことはない。ハチのご機嫌が悪い時は、蓋を開けたときこちらへ向かって体当たりをしてくる。そういうときは内検はしないことだ。

上桟にはスターターとして三角柱を付けて蜜蝋を塗ってある。まずはハチたちが上桟に沿って巣作りしてくれたかが最大の懸念だった。写真でわかるように、その点は問題なかった。もっともこれから先も巣作りがお行儀よく進むかどうかは???

 
1枚目                       2枚目

内検ともなれば産卵状態を確認するべきだが、今日はなるべく早く終わらせるために巣のできぐあいを確認するだけにした。


3枚目 ここが最大だろうか

巣脾のできぐあいは奥からだんだん大きくなり3枚目を境に5枚目まで小さくなっていた。その先は8枚目まであるがまだ作られていないと思う。


4枚目

上桟を引き上げようとするとかなりの抵抗がある。ハチたちがハチ鎖を作ってがっちりスクラムを組んでいるからだ。


5枚目 3か所から同時並行で巣作りしているように見える

この先はまだ巣作りはしいていないだろうと見極めで、ここで蓋を閉めた。


蓋を閉めましょう

昼間に初めて巣を引っ掻き回してしまったので、少し心配で、夜になってから巣内の写真を撮ってみた。


夜の巣内 昼に迷惑をかけた内検はまったく影響しなかったようだ

今日は簡単に上桟を引き上げることができたが、この先、どんどん巣が大きくなって、蜜や花粉の巣房が増え、子育て中の巣房が多くなれば、そうは問屋が卸すまい。この先は未知の領域だ…………

2018年5月3日木曜日

雄株と思っていたサンショウが結実

分封出戻りに続く入居とハチに振り回されている最中に偶然気づいたのだが、当地に引っ越して以来10年間実を着けたことのないサンショウに実が成っていた。嬉しいことは続けて起きる。


 長年、実らなかったサンショウに…………

このサンショウは植わっていた場所の条件があまりよくなかったので、現在の場所に移植したが実ることはなかった。それがなぜ今になって結実したか。


10年目にして結実 雌株だったのだ

実は庭にはサンショウの木がこれ以外に6本もある(植木屋で買ったものは1本もない)。そのうち1本は去年から実を着けだしたアサクラザンショウで、近所の廃屋に生えていた親木から挿し木したもの。残りは鳥が糞とともに種子を運んでくれて自生した普通のサンショウでまだやっと花が咲きだすくらいの樹齢だ。

つまりこれらのサンショウが花を咲かせたために、古株が初めて受粉し「女」に目覚めたということになろうか。野生の雌の株を見つけて何度となく挿し木に失敗したあげくに、こういうことが起きようとは…………

待ち箱を本宅へ

昨日入居してくれた待ち箱は、ハチ場にある他の巣箱と違って居間から見える位置にある。やや遠目ではあるが、それを思うと楽しい。

通常、待ち箱に入居があれば、その箱を定住位置へ移動して、別の待ち箱を置いて次群の来訪を待つ。しかし、移動できるのは入居した当日に限られる。そこで一泊してしまうとハチたちが新しい巣箱の位置を記憶し、その巣を別の場所に変えても元の場所へ戻ってしまう。

入居の時期が当日かどうか自信がなかったので、待ち箱の移動はしないことにした。そのかわり、この待ち箱を定住に相応しいものに衣替えする必要がある。


分蜂群の入居した待ち箱

屋根をWarre-Heaf式と交換し、ルアー用の霧除けは外し、ポリカの波板を上に置いた。

長らくお住まいを…………



待ち箱#5は動かせなかったので、そこから遠からぬビワノキの下に待ち箱#6を置いた。


待ち箱#6を新設 脚立の奥に入居群の巣箱が見える

今日は本降り。室内作業にいそしむとするか。

2018年5月1日火曜日

分封の出戻り/1群が入居

早朝に続いて、昼食の前にハチ場の様子を見に行った。

分封の出戻り

巣箱や待ち箱の周囲を見る限り変わった様子はなかったが、なんだか騒々しい。ふと視線を上へ向けると、樹冠に囲まれた青空を背景に無数のハチたちがゴマを振りまいたかのように乱舞している。高度は7~8mもあろうか。

分封だ!


 乱舞する分封群

集合板に止まって蜂球を作る段階はもう過ぎているようだ。朝にも見に来ているから、あるいは集合板で蜂球を作ることなしに、飛び出したのかもしれない。これではどうにも手が出ない。

巣内の写真を撮ると、だいぶハチの数が減っている。


分封直後の巣内の様子 ハチの数が減っている

しばし分封群の様子を見ていると西へ向かって移動を始めた。そちらの方向には数100mほど離れたところに大きな森がある。

が、数10m移動したところで群はこちらへ戻りだし、また元の位置で乱舞を続けていたが、そのうち1匹、また1匹と巣箱へ戻ってくる。またたくまに分蜂群は消散してしまった。おそらく女王が追従しなかったのだろう。分封はやりなおすことになったようだ。

1群が入居

元巣の周囲に置いた待ち箱には、これまでになく活発な偵察バチの出入りが続いている。なかには巣門でハチが旋風行動を始めたり、オスの飛来があったりする待ち箱もあった。しかし、午後も遅くなるとハチの出入りは急に少なくなった。巣内を撮影してみると、偵察バチが数匹残るばかりだった。


どの待ち箱も数匹の偵察ばちを残すのみ

やれや、今日も入居はなかったかと落胆しながら、最後に庭の前のヤブに置いた待ち箱#5をチェックした。


待ち箱#5 ハチ場から100mほど離れている

巣内を撮影してみてビックリ。立派な蜂球ができているではないか。耳を巣箱に密着させてノックしてみると活発なシマリングの応答がある。蜂球の形成といいシマリングといい、女王の居る群であることは間違いない。いままでの暗い気分がいっぺんに明るくなった。


待ち箱#5の巣内 分封群が入居していた!

えい、やった! とばかり喜んでばかりいられない。問題はこの群がこの巣箱に定着してくれるかどうかだ。女王が既婚なら明日にでも造巣と産卵が始まり、花粉の搬入が始まる。未婚の場合、明日から数日間の結婚飛行を繰り返すので、花粉の搬入はその先になる。まだ安心できない日が続く。

さて、この入居群はどこから来たか。わがハチ場の元群からの分封群である可能性がなくはない。

夜になって元群の巣内を撮影してみた。


夜間の元巣の巣内 ところどころ巣脾が見えハチ数の減少がうかがえる

昼前の分封は出戻りになったが、写真のようにハチ数の減少が起きているとすれば、その前にもう1群の分封が起きていたことは十分ありうる。その群が100mほど離れた待ち箱#5へ入居しても不思議はない。それなら、集合板は役に立たなかったが、遠くに置いた待ち箱がその替わりを果たしたことになる。

追記 2018/05/16
後日の第2、第3分封の様子を見ていて気づいたのは、分封時に巣から飛び出して乱舞しているハチたちのすべてが飛び去るわけではないということ。つまり、このとき出戻りと思っていたのは、実は第1分封の本隊に同道しないで元巣へ戻ったハチたちではなかったか。さすれば、第1分封に続けて起きた第2分封の出戻りではなく、第1分封の名残を見ていたと解釈するのが一番すっきりする。