2016年9月26日月曜日

オオスズメバチ来襲

ついにオオスズメバチの本格的な来襲があった。

長雨が続いてひさびさに日射しを見たようなときは、空腹のスズメバチらが大挙して巣箱に押し寄せる可能性が大きい。昨日はまさにそんな日。

プロジェクトの活動から帰宅してすぐにセイヨウミツバチの巣箱に向かったが、ちかごろ珍しいほど盛大な時騒ぎの最中で、ハチたちもひさびさの太陽を享受しているようだった。

ついで、ニホンミツバチの巣箱を訪れると、遠目にもオオスズメバチが5~6匹ほど、トリカルネットにたかって巣門をうかがっているのが分かった。巣箱の周囲は不気味に徘徊するオオスズメを除いて森閑としている。

洋バチの場合、オオスズメがこれほど巣門に集まれば、巣箱の周囲は飛び回る夥しい数のハチで大騒動になり、つぎつぎに屠られたハチの死骸が巣門の周囲に山となる。

和バチの場合は、それとは逆で、全員が巣内に引きこもり臨戦態勢を取る。もしも、巣門を食い破ってオオスズメが侵入すれば、ハチ団子となってオオスズメを熱殺する(圧迫して腹部の呼吸を止め窒息しさせることも併用するとか)。

(ここで写真を撮らなかったのが焦っている証拠。)すぐに、巣箱の脇に掛けてあるバトミントンラケットで集まっているオオスズメをネットに擦り潰すようにした。叩きつけたほうが簡単だが、飛べない状態で活かしておきたい魂胆がこちらにはある。

それで3匹ほどは巣の脇に落ちたが、逃れた残りが、襲撃目標をこちらに転じた。あわてて手にしたラケットを振り回して防戦する。なんとか叩き落とすことができたが、もしラケットを持っていなかったら、いまごろどうなっていたことか。

こちらには、洋バチが襲われたときの体験から、オオスズメが人は襲撃しないという思い込みがあった。しかし、和バチは巣内に籠もってしまうので、その場にはオオスズメとそれを攻撃してきた人間しかいない。洋バチのように夥しく飛び回りオオスズメの注意を分散させる目標もない。

この場合、彼女らは自己防御のために人の反撃に転じたのだ。たぶん、1、2匹だったら反撃には至らないかもしれないが、すでに5匹も集まっていたことから、集団として状況判断を下したこともあろう。とにかく、かろうじて難を逃れた。

これまで和バチの巣は、巣門にトリカルネットの防御網を付けただけだったが、今後は粘着トラップを併用する。さっそく粘着トラップを屋根の上に置き、まだ生きているオオスズメを載せた。

 
昼前

オオスズメを生きたままにしておくことがポイント。半死の彼女らが必死に発する集合フェロモン(ナサノフ腺フェロモン)が新たに来襲するオオスズメをこのトラップに惹き寄せる。

 
昼後 昼食のあいだに捕捉されたオオスズメバチの数が増える

 
5時ころ さらに増えていた

翌朝、巣箱の周囲をオオスズメが1匹徘徊していたので、これを叩き落として、トラップに追加する。それ以前に、すでに2匹がうごめいていた。

 
昨日の昼前から今朝までに捕まったオオスズメバチ

一晩経っても、巣箱に周りにこれといった変化はなく、死骸1匹も見当たらない。和バチたちは、なにごともなかったかのように防御ネットをかいくぐって出入りしていた。

セイヨウミツバチが人間の保護なくして日本の自然環境では生きのびられないという理由が納得できる事件だった。

2016年9月22日木曜日

ヒガンバナ

一昨年の11月、庭の一角にあったヒガンバナを南側の塀ぎわへ移植した。

 
もともとこのあたりにヒガンバナが自生

 
ヒガンバナの球根と葉

 
塀ぎわに移植  手前はニンニク 2014年11月

(写真のモミジ、いまはない。去年の夏に、塀ぎわに根を張るアズマネザサを退治しようと、周囲の土を掘って根を傷めてしまったせいか、枯れてしまった。残念。)

去年は数本だけヒガンバナが花を咲かせたが、移植した数に比べるとはるかに少なかった。

ヒガンバナの葉は春には枯れて、地上部にはなにも見えなくなる…………と知ったように書いたが、じつは長いこと、そのことを意識しなかった。ヒガンバナの葉に気づいたのはごく最近。四季を通して西蓮寺を訪れるようになってから。いまごろに見るヒガンバナの大群落と、イチョウの黄葉時にそのあとに見る特徴的な葉を知ってからだ。

夏に向けて庭の手入れをしているときに、うっかり土を掘ったら球根が出てきて、慌てたことが何度かあった。そのため麻ひもで区画を作って保護した。夏の間も雑草があまり繁茂しないように手入れし、土が乾くと水を遣った。

そのせいか、今年はずいぶん花を咲かせてくれた。

 

 

ヒガンバナの球根には毒がある。田圃の畦に植えるのは、その毒を嫌うネズミやモグラを近寄せないためといわれる。じつは、この塀ぎわはモグラの通路。となると、モグラはますます庭の中央の畑を荒らすようになるのか。それも困るなあ…………

2016年9月11日日曜日

山体崩壊

なにをいまさらと思われるひとも多いだろうが…………

以前のブラタモリで裏磐梯の山体崩壊(1888年(明治21年)7月15日)を説明していた回があった。その周辺は登山道が走っていて、実際にそのひとつを登った経験もあったのだが、へえ、そんなことがあったのだとぼんやり感じただけだった。

今日、地理・地図関係のツイッターで、DAN杉本氏がリツイートしている北米セント・へレンズ火山の山体崩壊(1980年5月18日)を再現する動画が載り愕然とした。

愕然としたのは2重の意味がある。ひとつは、若いころに起きたそんな重大な出来事を自分がまったく記憶していないということ。1980年は、山仲間と自分たちの山岳クラブを立ち上げた年であったがセント・へレンズが話題に上った憶えがない(そのころの記憶など当てにはならないが)。いまとはメディアの発達段階がまったく異なり、さしたる映像情報も流れなかったのかもしれない。それにしてもうっかりしていたものだ。

もうひとつは山体崩壊という大規模な自然現象が動画で再現されているということ。以前、川が蛇行する過程をとらえた映像を見た愕きをブログに書いたことはあるが、その比ではない。「悠久の自然」なんて言葉が、ぶっ飛んでしまう映像だ。セント・へレンズを取り上げたサイトは多々あるけど、そのうち2つを挙げておく。

この山体崩壊の動画、爆発規模などの研究のためにアメリカ地質調査所の研究者がアマチュア写真家の撮ったたった6枚の静止画像をもとに動画化したものだという。








セイヨウミツバチのスズメバチ対策

プロジェクトのニホンミツバチ用に防御ネットを作った。

 
3x3cm角材を枠にトリカルネットを張る

試しに、わがやのセイヨウミツバチの巣箱のスズメバチトラップを外して、取り付けてみたら、ぴったり合う。プロジェクトの巣箱は正面の幅外寸が30cm、Warre巣箱は内寸が同30cmだから、巣箱の厚みだけの差がある。その厚みが、それがちょうど縁取りのようになって、あたかも意図して作ったかのように見える。

 
なんだかぴったり

そこで、これをこのまま使うことにして、プロジェクト用にはもうひとつ別に作ることにした。

防御ネットの目的はミツバチの出入り口を巣門に限定せず広げることだ。防御ネットで面的に通路を確保しておけば、ハチがオオスズメを回避できる可能性が高まるだろうという胸算用だ。

オオスズメバチが集団で来襲するときは、複数で巣門に腰をすえ出入りするハチをことごとく屠る。ハチをほぼ全滅させたところで、巣門を齧って広げ、巣内に侵入して蜂蜜と蜂児をすべて略奪する。キイロスズメバチはハチを補食するが、集団攻撃したオオスズメは殺したハチを見向きもしない。

これだけでは、いささか心許ないので、去年と同じ亀甲金網2重張りを外周に巡らせることにした。金網を地面に着けるとアリが入り込むので裾は短くした。

 
2重の防御

この亀甲の開口サイズはオオスズメバチでもすり抜けることはできる。しかし、昨年の観察では、2重にすることで、心理的?な抑制効果があるのか、強いて内側へ入り込もうとはしない。

亀甲網の縁と巣箱の間に隙間があり、そこからスズメバチが侵入する可能性がある。そこには防虫網を巻いて棒状にしたものを詰めて隙間を塞いだ。

この仕組みには「捕殺」の機能はない。そこは、粘着トラップと人海作戦で補うしかない。

 
隙間に防虫網のロール               これでどうか

キイロスズメバチに対する効果はないかもしれないが、キイロは巣の周辺でハチを個別に攻撃して帰巣する習性がありオオスズメのように壊滅的な被害はもたらさない。こちらは目をつぶることにしよう。

いずれにしろ、自然は人間に都合のよいようにできているわけではない。油断は禁物だ。

2016年9月5日月曜日

センニンソウ

県道脇にみごとなセンニンソウがあった。たぶん1本の草なのだろうとおもうが。

 

 

 
見とれてしまう

こちらのお宅にも。

 
人家の屋根を覆うよう

2016年9月2日金曜日

メントール処置に思わぬ落とし穴

ニホンミツバチの巣箱の屋根を外して、ダニ対策に設置したメントールの減り具合を点検した。

 
巣箱の屋根、キルト、麻布(右)を外したところ   上桟の間をハチが齧って穴を開けた

巣箱の最上段には厚めの麻布を敷いて、その上にメントールを入れた茶こし袋を置いてあるのだが、どうやらハチが麻布を齧って、さらにメントールの茶こし袋も齧ってしまったようだ。茶こし袋にかたまって数匹のハチが死んでいた。

 
メントールの袋にかたまって死んでいるハチ

さいしょ、メントールが強すぎてハチが死んだのかと考えた。死骸の状況を観察していると、なかに生きたハチもいる。それが必死にもがいて逃げようとしているのだが、逃げられない。茶こし袋の細かい繊維に脚の爪が引っかかっているのだ。他の死んだハチもことごとく、体のどこかを絡み取られていた。死因はメントールよりも、逃げられずに餓死したと考えたほうが妥当だ。

ハチたちは、仲間が巣内で死ぬと情け容赦なく外へ運び出して、住処の清浄を保つ。そのとき、運び出したハチが、なかなか死骸から離れられずにもがいていることがある。あれは死んだ仲間の体に自分の脚の爪が掛かって、外せないからだ。同じことが、ここではもっと冷酷に起こってしまった。

DSCN2159.jpg 
中央下向きのハチは生きている 左脚に繊維が絡まって逃げられない

このハチはなんとか繊維を切って解放することができたが、最上段とキルトの底の間に金網を置くなどの処置が必要になる。