2016年2月20日土曜日

新兵器 丸鋸

ジグソーでの長物・厚物の切断は断念し、丸鋸を入手した。

丸鋸は扱いによってはきわめて危険な道具になる。事故の実例についてあれこれ調べるにつれ、ますますハードルは高くなった。身体髪膚これを父母に受く。アラセブになって工作で指を落とすなどとんでもないと、さんざん悩んだが、結局、利便性に負けて丸鋸を使うことにした。

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いまのワークベンチは鉄枠が支えているが、このままでは間違いなくフレームに鋸の歯を引っかける。とりあえず作業台に適当な広さのベニヤ板を使って鉄枠を覆うことにした。ベニヤ板をワークベンチに載せてクランプで止めて作業台にする。

おそるおそる試し切りをしてみた。確かに直線性は優れているが、微妙なブレが出る。ブレードの軸にけっこう遊びがあり、それなりに使い方のこつを身につける必要がある。

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そこで、とりあえず「丸鋸定規」なるものを作ってみた。丸鋸の動きを規制して、断面の直線性と直交性を正確にだすための定規である。ベニア板の上面と下面に直交する副え木を固定しただけのものだが、なかなか使えそう。

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丸鋸定規

とりあえずの目標は巣箱に観察用の窓を開けることだ。

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板の中間に切り込みを入れるには

そのためには板の中間にスリットを入れる必要があり、丸鋸の正規の使い方では実現できない。本来、一定の歯の深さで押し切るところを、位置を固定して深さを変えて切り込む必要がある。実作業はもう少し使い方に慣れてからになりそうだ。

2016年2月18日木曜日

Warre巣箱のキルト

Wrre巣箱のキルトは、すでに枠は作ってあるから、底に布を張り、断熱・防湿材を詰めるだけだ。

Warre Beekeepingには底布は粗い麻布とあるので、手持ちの園芸用の薄い麻布を2重にして使い、電気工事に使うステップルで枠に止めた。、

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麻布をステップルで枠に固定余った布はカッターで切る

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キルトの枠に底布を張った

キルトの中身は、断熱・防湿材として木っ端やおが屑を入れるとあるので、とりあえず麻布の残りを詰めてみた。近くのHCで詰め物に藁はどうかと見てみたが、ひとつかみほどの藁が400円以上もするのでバカバカしくなった。そこらの空き地で枯れ尾花でも刈ってくるか。

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Warre巣箱にキルトを載せキルトの上に切妻の屋根を載せる

底布は下の巣箱の上桟に直接置くことになる。キルトの上は屋根の中蓋で塞がれるが、底がこんなスカスカの布でいいのか気になった。実際、あらかじめ底布に蜜蝋を塗っておく人もいる。

しかし、デビッド・ヘフは通気がよすぎるようならハチが自分で底布にプロポリスを塗って空気の流出を調整するはずだという。この冬、プロジェクトの巣箱でも巣門の幅をプロポリスで狭めているものがあった。防寒のため巣門を狭くする人の作業が遅れたためだろう。

2016年2月14日日曜日

絶景のとんかつ屋

NHKの「ブラタモリ」は、当方にはめずらしくリアルタイムで見ることが多い。

じつは昨日、この番組で、かつていきつけのとんかつ屋が登場した。沼田街道沿いにある「とんかつトミタ」だ。茨城の辺境に住まいするいまとなっては、いきつけもないものだが、懐かしかった。尾瀬ヶ原や近傍のスキー場へでかけた帰りは、山・スキー仲間とともによくこの店へ寄った。

ブラタモリは、地理・地形愛好家のあいだでは大評判の番組。この番組で取り上げられた地域は、すかさずTwitterにカシミール3Dで地形的な特徴を強調した地図が投稿される。

下の地図は、カシミール3Dの作者DAN杉本氏自身が投稿したもの(twitter.com/DANkashmir3d)。

とんかつトミタ
とんかつトミタ → 拡大して見て欲しい

拡大するとわかりやすいが、いかに絶妙な場所にこのとんかつ屋があるかということ。店の入口から奥に進んだ正面の小上がりが、片品川河岸段丘の切り岸にあり、そこから絶景を堪能できる。緑の線は関越道で、この高速からの眺望も捨てがたい。もっともドライバーはのんびり眺めているわけにはいかないが。

2016年2月12日金曜日

No title

キルトを除いてラングストロースからWarreへの移行準備は整った。これでセイヨウミツバチの今シーズンへの用意はほぼできた。

次はニホンミツバチの捕獲準備だ。ほんらいニホンミツバチが目的で養蜂をはじめたのだから、初志貫徹。

最近は購入することもできるようだが、ニホンミツバチは周囲の自然に棲息するものを捕獲するのが常道。分封シーズン(このへんは4月中旬以降か)に待ち箱(捕獲用の巣箱)をハチの気に入りそうな場所に設置して入居を待つのだ。

去年、ニホンミツバチの捕獲にも飼育にも使えるというので購入した巣箱は、プロジェクト仲間の感想では、捕獲には使えないだろうという。その後、実際にニホンミツバチの巣箱の置かれている環境を知るにつれて、周囲に木立のない自宅の庭ではいくら魅力的なを待ち箱を置いても入ってくれそうにないことはわかった。ハチたちは森林を好むのである。

そこで、待ち箱を置く場所の開拓だ。

近所に薮に囲まれた小さな森がある。森の所有者はいるのだろうが、近隣にあたってみても知っている人はいない。ただしくは地籍を調べるべきなのだろうが、そこは勘弁ねがって、薮を切り開いて適当な場所がないか探してみた。

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この南向きの森縁に待ち箱を置いてみようか

まずは薮に道を付けねばならない。

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正面のコナラを目指して薮を開いた

いまは葉を落としている大きなコナラを目指して薮を切り開いた。最近は電動の草刈り機もあるので買えば便利だろうが、体力が続く限り自分の手足で使える道具で切り開くことにしている。使ったのは鋏とノコギリだ。大カマは使って見たが薮の中では操作しにくい。

薮に囲まれて見えなかったコナラの根元が見えてきた。いいんじゃない! こういうとこ、ミツバチ好きそう。ハチたちは大きな木の下で、南側が開けていて、西日が差し込まない場所が好みだ。そりゃあまあ、人間だって同じだね。ここだったら、幹にもたれて本でも読んでたら、一日なんてすぐに過ぎちゃう。

ここを設置場所候補Aとする。

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待ち箱の設置場所候補A 道具は鋏とノコギリ

そこからさらに東に向かい、次の大きな木を見つけてさらに道を開く。

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さらに薮を開く

次の木はスダシイの若木だ。ここは設置場所候補Bとしよう。

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スダシイの根元 設置場所B

設置場所Bを右から回り込むと、次の設置場所候補Cが見つかった。

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設置場所候補C スダシイ(右)とタブノキの根元

これで3つ待ち箱の設置場所候補が見つかった。今後もまだ場所探しは続けるとしても、なんとかニホンミツバチ捕獲の手掛かりはついた。

待ち箱といってもいろいろあるようだが、当方は通常の重箱式とWarreを折衷した巣箱を待ち箱兼巣箱として使うつもりだ。

さあ、4月へ向けてせっせと巣箱作らなくっちゃ。

2016年2月11日木曜日

No title

現在、わがやのコロニーはラングストロース式の10枠用巣箱に5枠分のハチが住まいしている。Warre側の準備が整ったら、つぎは引っ越しの手順を段取ることになる。

コロニーの移行についてもWarre Beekeepingにいく通りかの説明が載っている。そのなかにラングストロースからWarreへの移行も取り上げられている。その「Colony Transfer from a nucleus」の写真(下)を見てピンときた。プロジェクトの先輩から頂戴した小型のラ式巣箱のことだ。

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http://warre.biobees.com/hiving.htm

このラ式巣箱の内寸を計ってみるとほぼ290mmで、Warreの内寸よりわずかに小さい。つまり、板の厚さを考えると、Warreの巣箱に載せれば、ほぼそれを覆う寸法だ。ラ式巣箱の底を外してWarreの上に置き、前後の空きを塞げば、ちょうどこの写真の状況になる。

現在の標準ラ式巣箱のコロニーをここへ移動させ、余分なスペースを仕切り板などで制限しておけば、ミツバチの自然の習性にしたがって、春先の増勢期には下のWarreに巣を拡大し、上層は貯蜜巣房に、下層は蜂児巣房になってゆくはずだ。

改造してみた。

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小型ラングストロース式巣箱

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この底を外す 下はWarre釘止め

トンカチでほどほどに板を叩いて、釘を少し浮かせると、簡単に釘は抜けた。

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外れたWarreに載せると長手に隙間ができる

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逆さまにして隙間を埋める

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ラングストロース→Warre移行箱

以前に触れたように、この方法はすでに国内で試みているサイト「Natural Beekeeping」があった。その記事によれば、上の箱から下の箱への移動は、そうすんなりといかないこともあるようだ。はたしてどうなるか。

2016年2月10日水曜日

Warre巣箱の台座

Warrer巣箱のオリジナルの台座(床と離着板)はきわめてシンプルだが、そのままではバロア対策や内検がやりにくい。Warreが巣箱を考案した時代、バロアはセイヨウミツバチの世界にまだ侵入していなかった。この巣箱にはバロアへの配慮はない。また、内検のためには、Warre以降に考案された、巣箱に観測窓を開ける方法が一番だが、そこまでまだ手が回らない。

そこで、次の仕組みを考えた。

(1)床を引出式にして、ネットを被せる(ハチとバロアの分離)。
(2)引出を抜くと、台座の側面からカメラを差し込んで内部が撮影できる(内検の代わり)

巣底の清掃とバロア対策のために床をネットにする方法は、Open Mesh Floors (OMF)または、Screened Bottom Boards(SBB)としてあちこちに紹介がある。また、巣底からカメラを差し込む方法は、ニホンミツバチの重箱式ではよく使われている。

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2x4(38x89x1820mm) 台座の木材9x9mm ネット枠

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台座とネット枠ネットはボンド付け 底は5mmのベニヤ

ネット枠を9mm角にしたのは2x4材の幅とカメラ口の高さの兼ね合いからだが、台座を高くしてもっとしっかりした厚い材を使った方がよいとおもう。ベニヤはネジ止めで取り外しできるので、粘着テープを貼るなどして落ちたバロアが巣に戻れないようにすることができる。

Warreの場合、巣門の高さは床の厚さで決まるが、奥の斜路の付け方でハチが通り抜ける間隙はどうにでもなってしまう。ここでは、高さをラングストロース式巣箱に準じて8mmとして、ネット枠が巣門の下面に水平に接続するようにした。台座の左右に凹みを彫り、そこにネット枠を滑り込ませる(←そうとういい加減だが)。

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奥が巣門 手前(裏)からネット枠を出し入れする巣門 8x160mm(標準より40mm広くした)

いまさらだが、この工作で気づいたのは、巣門が巣箱にはなく台座側にあることの合理性だ。そのため巣箱そのものは単純な箱(正確には枠)となり、何段積んでも箱同士の互換性が保てる。ラングストロース式では巣門は巣箱に開いているから、巣箱と継箱に互換性はない。

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カメラ口 60x120mmカメラ口を閉じて離着板を取り付け

通常は右上の写真の状態の台座に巣箱を重ねて置く。バロアをチェックするときは、ネット板を引き出して落下したバロアを数えることができる。内部を撮影するときは、ネット板を引き出した状態で、カメラ口からカメラを差し込み、タイマーで撮影する。(下の写真では底板は従来の床を流用したので、こちらにも巣門が開いている)。離着板は台座に直接取り付けた。

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台座の使い方 デジカメは撮影に使っているから携帯で代用

巣箱を2段積んだ状態で、次のようになる。

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台座に2段の巣箱を積んだところ

巣の内部を撮影してみた。

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ネット板を引き出してカメラで内部を撮影

すんなりできたわけではない。例によって、迷走と試行錯誤の繰り返しだったが、まあなんとかできた。

あとはキルトを作れば、いちおうの格好はつく。