2016年2月10日水曜日

Warre巣箱の台座

Warrer巣箱のオリジナルの台座(床と離着板)はきわめてシンプルだが、そのままではバロア対策や内検がやりにくい。Warreが巣箱を考案した時代、バロアはセイヨウミツバチの世界にまだ侵入していなかった。この巣箱にはバロアへの配慮はない。また、内検のためには、Warre以降に考案された、巣箱に観測窓を開ける方法が一番だが、そこまでまだ手が回らない。

そこで、次の仕組みを考えた。

(1)床を引出式にして、ネットを被せる(ハチとバロアの分離)。
(2)引出を抜くと、台座の側面からカメラを差し込んで内部が撮影できる(内検の代わり)

巣底の清掃とバロア対策のために床をネットにする方法は、Open Mesh Floors (OMF)または、Screened Bottom Boards(SBB)としてあちこちに紹介がある。また、巣底からカメラを差し込む方法は、ニホンミツバチの重箱式ではよく使われている。

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2x4(38x89x1820mm) 台座の木材9x9mm ネット枠

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台座とネット枠ネットはボンド付け 底は5mmのベニヤ

ネット枠を9mm角にしたのは2x4材の幅とカメラ口の高さの兼ね合いからだが、台座を高くしてもっとしっかりした厚い材を使った方がよいとおもう。ベニヤはネジ止めで取り外しできるので、粘着テープを貼るなどして落ちたバロアが巣に戻れないようにすることができる。

Warreの場合、巣門の高さは床の厚さで決まるが、奥の斜路の付け方でハチが通り抜ける間隙はどうにでもなってしまう。ここでは、高さをラングストロース式巣箱に準じて8mmとして、ネット枠が巣門の下面に水平に接続するようにした。台座の左右に凹みを彫り、そこにネット枠を滑り込ませる(←そうとういい加減だが)。

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奥が巣門 手前(裏)からネット枠を出し入れする巣門 8x160mm(標準より40mm広くした)

いまさらだが、この工作で気づいたのは、巣門が巣箱にはなく台座側にあることの合理性だ。そのため巣箱そのものは単純な箱(正確には枠)となり、何段積んでも箱同士の互換性が保てる。ラングストロース式では巣門は巣箱に開いているから、巣箱と継箱に互換性はない。

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カメラ口 60x120mmカメラ口を閉じて離着板を取り付け

通常は右上の写真の状態の台座に巣箱を重ねて置く。バロアをチェックするときは、ネット板を引き出して落下したバロアを数えることができる。内部を撮影するときは、ネット板を引き出した状態で、カメラ口からカメラを差し込み、タイマーで撮影する。(下の写真では底板は従来の床を流用したので、こちらにも巣門が開いている)。離着板は台座に直接取り付けた。

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台座の使い方 デジカメは撮影に使っているから携帯で代用

巣箱を2段積んだ状態で、次のようになる。

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台座に2段の巣箱を積んだところ

巣の内部を撮影してみた。

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ネット板を引き出してカメラで内部を撮影

すんなりできたわけではない。例によって、迷走と試行錯誤の繰り返しだったが、まあなんとかできた。

あとはキルトを作れば、いちおうの格好はつく。

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