2018年12月26日水曜日

この時期にハチ柱が

たまには巣内を観察しておこうと写真を撮った。

コナラ群やカキノキ群はおおかた予想どおりだったが、驚いたのはカキノキ群だ。今日は好天とはいえ、この時期に巣門の出入りはさほど多くないはずなのだが。


ヤマザクラ群の巣門

まるで春の健勢期のようにひっきりなしの出入りがある。

巣門の扉を開けてみてまたびっくり。太いハチ柱が立ち上がっていた。


ハチ柱


ワオ!

真冬にハチ柱を作って往来するほど活発なハチの動きを見るとははじめての経験。勢いがあるのは喜ばしいことだが、一体何が原因でこれほど活動的なのか理由がわからない。巣箱の外側に多数の脱糞の跡があり、普通なら病気を心配するところだが、この様子ではその心配はなさそうだ。

ヤマザクラ群の元群はコナラ群で、その最初の分封群だから、そのままならコナラ群の旧女王がここで産卵を続けているはず。しかし、この夏に上桟式への移行に失敗したときの観察では、王台を確認している(6/3)。あるいは、その後、自然な女王交替が起きたのかもしれない。

この群は最後の計量で、他の群より重量が7キロ以上重い強群だった。この勢いで越冬してくれれば、来年の採ミツが楽しみである。

2018年12月2日日曜日

来季へ向けて巣枠を考える


これまで巣枠式(正確には上桟式)で複数段の構成でニホンミツバチを飼う試みをしてきた。わずか数年の経験ながら、複数段構成では2段までは造巣が進むが、その先3段以上になることはなかった。最初の捕獲群は越冬したものの次の夏に2段構成を維持したまま、ついに逃去してしまった。

実際に複数段を実践している人たちのサイトなど覗いてみると、こまめに採ミツできるように最上段の丈を短くし、隔王板を使って女王の行動範囲を2段以下に制限しているようだ。隔王板は、セイヨウミツバチでは産卵範囲を限定するため普通に使われている。なるほど和バチでもその手はあるとは思うが、隔王板の使用はあまり気が進まない。

分封して入居した新しい群の成長を見ていると、育成の核となる産卵・飼育圏を中心として、巣脾が楕円状に拡大しつつ、上部は貯ミツ圏となり産卵・飼育圏はしだいに下方へ移ってゆく。

5月1日に分封して飼育がスタートしたヤマザクラ群の約3週間後の巣脾の状態を次の写真に示す。

 
5月20日 ヤマザクラ群 産卵・飼育圏を中心として楕円状に拡大

ヤマザクラ群では、このときすでに写真の巣脾の高さは250mmを超えていた。巣枠化するため巣脾の下部を切り取って高さ180mmの巣箱に収めようとすると、産卵・飼育圏を分断することになる。ヤマザクラ群はこのあと、紆余曲折を経て巣枠化を断念した。

いっぽう、まだ巣脾の成長がさほど進んでいなかったカキノキ群は曲がりなりにも巣枠化に成功したが、その十分に成熟した巣脾を次の写真に示す。


10月21日 成熟したカキノキ群の巣脾 高さは160mmほど

見比べてみると、自然に成長したヤマザクラ群の巣脾に比べて、高さ180mmに制限されたカキノキ群の巣脾は、貯ミツ圏、飼育圏がはっきり区別されてはいるもののなにか不自然な印象を拭いきれない。ハチたちはもっと自由に巣脾の高さを伸ばしたいのではないか。

いろいろなタイプの巣箱はあるが、ミツバチ研究者の玉川大吉田氏の考案したAY式の巣箱は1段構成で高さが500mm、日本在来種みつばちの会の藤原氏の現代式縦型巣箱は多段構成も可能で1段の高さは240mmある。藤原氏の著書を参照すると2段程度を想定しているようにも読める。

いっぽう、和バチ養蜂で一般的な重箱式の巣箱では、巣箱の高さは巣脾を制限する要素とはならない。サイトの影響力から広く普及していると思われる京都ニホンミツバチ週末養蜂の会の巣箱は220x220x150mmで、この寸法だと1段がすばやく貯ミツで満たされて採蜜しやすいからとしている。

当方の巣箱にしても、250x250mmの内寸は所属する会の巣箱に倣ったもので、高さ180mmは巣箱作りの素材が近所のHCで安価で入手しやすかったからである。

そこで来季の巣箱では巣脾の成長を妨げず、採蜜にもある程度配慮した構造を導入することにした。
  1. 巣箱は現行の250x250x180mmで板厚24mmを流用する。
  2. 巣枠は半枠として竹ヒゴの横桟を入れる
  3. 巣箱構成は巣箱2段+巣門段とする。
ここでの半枠とは、門構えに竹ヒゴの横桟を入れたもの。竹ヒゴは構造的な補強と巣脾を保持する働きをする。竹ヒゴは庭の竹を切って裂き、ヒゴ抜きで整形(丸くはらないが)して作った。

 
ヒゴ抜き                       竹ヒゴ


来季の半枠


上桟と三角柱のスターターは今季と同じ

半枠の縦桟の長さは270mmだが、上桟の材を流用しただけで深い意味はない。上の竹ヒゴは上桟から130mmの位置にある。1枚の巣脾が上から120mmくらいまで満ミツになったら、その部分を採ミツすることを想定している。採ミツした残りの巣脾は、2本の竹ヒゴと縦桟で保持されるだろう。その半枠はそのまま巣箱に戻せば、採ミツで空いた空間はすぐにハチたちが造巣して、またミツで満たしてくれる。この繰返しで巣脾への損害を最小にして採蜜を続けることができる。あくまでも取らぬ狸の皮算用だけどね。ははは。

巣箱は巣門段を入れて3段あれば540mmになるので、AY式の500mmを超え、ハチは自由に巣脾を伸ばすことができる。

一番の課題は、この2本の竹ヒゴをハチたちが造巣の障害と感じるかどうかだ。そのためになるべく細い竹ヒゴとしたのだが、ハチの気持ちは結果をみなければわからない。ハチが竹ヒゴが邪魔で造巣を止めれば、この計画はアウト。成功するようなら待箱にもこの半枠を使いたいが、そうは問屋が卸すかどうか。

2018年12月1日土曜日

コナラ群の給餌は失敗

コナラ群の給餌を昨日、今日とチェックしたが、まったく減っていない。作り置きしたので変質したのかと味見してみたが甘いだけで変化なし。前回の計量のあと、コナラ群にだけ給餌したときは一晩で砂糖水はほぼなくなっていたのに、今回は見向きもしない。

給餌は諦め、砂糖水を引き上げた。前回の計量からほぼひと月。その間、給餌は1回したが巣箱の重量はほとんど変わっていなかった。取り越し苦労であることを願う。


今朝のコナラ巣内

他の群でも同様か? 確認のため、給餌皿をそのままカキノキ群へ移してみた。はたしてどうなるか。

2018/12/07追記
カキノキ群では、移した翌日にチェックするとわずかながら砂糖水の消費が見られ、4日ほどで完全に砂糖液はなくなった。やはりコナラ群はいまひとつ元気がないようだ。