しかし、こちらの退院を待っていたかのように分封が立て続けに起きた。その経過報告である。
28日 帰宅後、翌日の内検
午後、ひさびさに各群の様子を撮影してみた。
コナラ群
巣門段まで下がってきた蜂球
巣門段まで蜂球が下がっている。越冬を案じるほどの弱群だったから、おそらくこの群だけはまだ分封していない。冬の間ははるか上の方に見えた頼りなげな蜂球はすでに巣門段にまで達しており、巣底にはオスバチの巣蓋が多数落ちていた。初分封は間近だろう。
カキノキ群
すでに分封は済んでいるはずで、このまま新女王のもと安定成長に入ってくれるとよいが。
ヤマザクラ群
上段の扉より
もっとも強群だったヤマザクラ群はすでに複数回分封を繰り返したと思われる。やや蜂球が乱れているように見える。
ヤマザクラ群の分封
内検の時点で気付かなかったが、居間からぼんやり庭を眺めていると、ヤマザクラ群の奥の大きなヤマザクラの幹に蜂球が垂れ下がっていた。
奥のヤマザクラの幹に蜂球が
ヤマザクラ群の第?分封
おそらくさきほどの内検に先立って、午前中にすでに静かなる分封が起きていたのだろう。ヤマザクラ群の蜂球にやや乱れがあると見えたのは、分封まもなくだったからか。
いつ旅立つかと、その後も何度か確認したが、この蜂球は当日は解けることがなかった。風はそうとうあったが、このまま一晩を明かしたのだ。
29日 コナラ群の初分封
10時過ぎにコナラ群を見にゆくと、たぶん第1分封のさなかだった。あとで思い返すと、このときすでに分封の大半は終っていたようだ。巣門にへばりつくのは残留を決めたハチたちだったろう。
はるか5~6mの高い幹に垂下する蜂球
上空を見渡すと、コナラ群の背後のコナラより10mほど海よりに佇立するもう一本のコナラの高い幹に蜂球が形成されていた。脚立はおろかハシゴでも届く高さではない。
コナラ群の分封をしばらく見とどけて家へ戻ると、ヤマザクラ群の分蜂群は消滅していた。無事に居心地のよい新居へ移れたことを祈る。
第3の分封
じつはこのとき第3の分封が進行していた。こちらは旅立ちでなく、入居である。
今年は群を増やすことは諦めたので、いつもなら待箱を置く場所に、プロジェクトの仲間の待箱を置いてあった。コナラ群の分封が落ち着くころ、この待箱にいずこからか入居があったのだ。待箱の場所は、ちょうどいままさにコナラ群の蜂球が作られている別のコナラのほぼ直下に位置する。もしやあの分封がここへ入居かとしばらく観察したが、飛来するハチの方向は海辺寄りのいずこかを指していた。
PJの待箱 ルアーのキンリョウヘンが置かれている
退院して戻るやいなや、ヤマザクラ群の分封→コナラ群の分封→PJ待箱の入居と3つの分封イベントが続発したことになる。なかなか得難い経験をした。