2018年12月2日日曜日

来季へ向けて巣枠を考える


これまで巣枠式(正確には上桟式)で複数段の構成でニホンミツバチを飼う試みをしてきた。わずか数年の経験ながら、複数段構成では2段までは造巣が進むが、その先3段以上になることはなかった。最初の捕獲群は越冬したものの次の夏に2段構成を維持したまま、ついに逃去してしまった。

実際に複数段を実践している人たちのサイトなど覗いてみると、こまめに採ミツできるように最上段の丈を短くし、隔王板を使って女王の行動範囲を2段以下に制限しているようだ。隔王板は、セイヨウミツバチでは産卵範囲を限定するため普通に使われている。なるほど和バチでもその手はあるとは思うが、隔王板の使用はあまり気が進まない。

分封して入居した新しい群の成長を見ていると、育成の核となる産卵・飼育圏を中心として、巣脾が楕円状に拡大しつつ、上部は貯ミツ圏となり産卵・飼育圏はしだいに下方へ移ってゆく。

5月1日に分封して飼育がスタートしたヤマザクラ群の約3週間後の巣脾の状態を次の写真に示す。

 
5月20日 ヤマザクラ群 産卵・飼育圏を中心として楕円状に拡大

ヤマザクラ群では、このときすでに写真の巣脾の高さは250mmを超えていた。巣枠化するため巣脾の下部を切り取って高さ180mmの巣箱に収めようとすると、産卵・飼育圏を分断することになる。ヤマザクラ群はこのあと、紆余曲折を経て巣枠化を断念した。

いっぽう、まだ巣脾の成長がさほど進んでいなかったカキノキ群は曲がりなりにも巣枠化に成功したが、その十分に成熟した巣脾を次の写真に示す。


10月21日 成熟したカキノキ群の巣脾 高さは160mmほど

見比べてみると、自然に成長したヤマザクラ群の巣脾に比べて、高さ180mmに制限されたカキノキ群の巣脾は、貯ミツ圏、飼育圏がはっきり区別されてはいるもののなにか不自然な印象を拭いきれない。ハチたちはもっと自由に巣脾の高さを伸ばしたいのではないか。

いろいろなタイプの巣箱はあるが、ミツバチ研究者の玉川大吉田氏の考案したAY式の巣箱は1段構成で高さが500mm、日本在来種みつばちの会の藤原氏の現代式縦型巣箱は多段構成も可能で1段の高さは240mmある。藤原氏の著書を参照すると2段程度を想定しているようにも読める。

いっぽう、和バチ養蜂で一般的な重箱式の巣箱では、巣箱の高さは巣脾を制限する要素とはならない。サイトの影響力から広く普及していると思われる京都ニホンミツバチ週末養蜂の会の巣箱は220x220x150mmで、この寸法だと1段がすばやく貯ミツで満たされて採蜜しやすいからとしている。

当方の巣箱にしても、250x250mmの内寸は所属する会の巣箱に倣ったもので、高さ180mmは巣箱作りの素材が近所のHCで安価で入手しやすかったからである。

そこで来季の巣箱では巣脾の成長を妨げず、採蜜にもある程度配慮した構造を導入することにした。
  1. 巣箱は現行の250x250x180mmで板厚24mmを流用する。
  2. 巣枠は半枠として竹ヒゴの横桟を入れる
  3. 巣箱構成は巣箱2段+巣門段とする。
ここでの半枠とは、門構えに竹ヒゴの横桟を入れたもの。竹ヒゴは構造的な補強と巣脾を保持する働きをする。竹ヒゴは庭の竹を切って裂き、ヒゴ抜きで整形(丸くはらないが)して作った。

 
ヒゴ抜き                       竹ヒゴ


来季の半枠


上桟と三角柱のスターターは今季と同じ

半枠の縦桟の長さは270mmだが、上桟の材を流用しただけで深い意味はない。上の竹ヒゴは上桟から130mmの位置にある。1枚の巣脾が上から120mmくらいまで満ミツになったら、その部分を採ミツすることを想定している。採ミツした残りの巣脾は、2本の竹ヒゴと縦桟で保持されるだろう。その半枠はそのまま巣箱に戻せば、採ミツで空いた空間はすぐにハチたちが造巣して、またミツで満たしてくれる。この繰返しで巣脾への損害を最小にして採蜜を続けることができる。あくまでも取らぬ狸の皮算用だけどね。ははは。

巣箱は巣門段を入れて3段あれば540mmになるので、AY式の500mmを超え、ハチは自由に巣脾を伸ばすことができる。

一番の課題は、この2本の竹ヒゴをハチたちが造巣の障害と感じるかどうかだ。そのためになるべく細い竹ヒゴとしたのだが、ハチの気持ちは結果をみなければわからない。ハチが竹ヒゴが邪魔で造巣を止めれば、この計画はアウト。成功するようなら待箱にもこの半枠を使いたいが、そうは問屋が卸すかどうか。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

今日は!曇りでも気温はこの時期としては暖かい( ^ω^)・・・
いろいろとやってますね・・・睡眠不足になるのでは!(´∀`*)ウフフ  採蜜圏と産卵圏を確保して・・・綺麗な巣ができるのを楽しみに春を待ちましょう!これ特許取りますか?よろしければ同じような物を一箱作りたいです!宜しく・・・手作り味噌が美味しい!ホホホ・・・

OJ さんのコメント...

おっと失礼しました。はじめてのコメントで気づきませんでした。コメントのお知らせを受け取る設定になってませんでした。こっちもBloggerの使い方慣れてないもんで。われながら半信半疑ってところですけど、来季が待たれます。