ニホンミツバチが逃去したようだ。
今朝、巣箱に近づいてもハチの姿がない。巣箱をノックしても応答しない。
巣内の写真を撮ってみると、ほとんどハチがいない。これは逃去としか考えられない。
ほとんどハチがいない
つい数日前には巣内はこんなだった。
3日前の巣内
なにをしていいのかわからず、しばし呆然。
こうなったら巣を開けて確認するしかない。
最上段にほとんどハチはいない
2段目にはまだ動き回るハチが
巣の作られている1段目と2段目を見る。1段目はほとんど空だが2段目にはまだいくらかハチが残っていた。逃去は決定的だが、これからどうすればいいか。
一度巣箱を元へ戻して、しばらく考えてみた。
いくらかハチは残っているが、この巣にはもう女王がいない。女王のいない群は、今後、消滅の一途をたどるしかない。春先の増勢の最中ならば巣内に次期女王候補となる王台がいくつかあって、それから新し女王が育つ可能性はあるが、今の時期ではそれは望めない。女王のいない群は、いままで働きバチの産卵本能を抑えていた女王フェロモンが巣内に供給されなくなるので、働きバチが産卵を始める。しかし、働きバチは受精していない。ハチの場合、無精卵でも孵化するが、産まれてくるのはすべてオスになる性質がある。オスは生殖以外なんの働きもしない。産まれてくる働きバチがいなければ、養い手がしだいにいなくなり、いずれ消滅することになるのだ。
しかし、まだハチは生きている。ここで巣を始末してしまってはハチたちは路頭に迷う。ただし、このまま放置すると巣箱はスムシの巣窟となる。それが自然のサイクルであると、スムシに巣の掃除をまかせる人もいるようだが、そうすれば巣内は目を覆うような惨状となる。とりあえず空になった最上段は取り外し、まだハチのいる2段目以降はこのままにしてハチたちの行く末を見守ることにした。
1段減らした巣箱
最上段の巣箱を外して巣枠を取りだしてみた。これらの巣枠は、最初にミツバチたちが飛来してくれたときに、待ち箱に使ったラングストロース式巣箱から、この巣箱の巣枠へ移したときの名残だ。竹串が通してあるのは、巣板を支えるためだった。当時のできたての軟らかい巣では竹串はあまり支えにならず、大きな巣は落ちてしまったが、これらはまだ巣が小さかったので上桟に固定できた。ほとんどはそのあとハチたちが構築した巣である。
最上段の巣枠
巣板は刃物で切り取ってビニール袋に移し、あとで蜜蝋を作ることにした。わずかに蜜の残った巣もあったので、それは切り分けて垂れ蜜を採ってみようと思う。
わずかに蜜の残った巣
すでにセイヨウミツバチは亡く、ニホンミツバチも去った。とうとう、ぼくはハチ飼いではなくなってしまった。
ハチの様子を見ることが生活のリズムのようになっていたので、ストンと支柱が外れたような感覚だ。いやあ、参ったなあ。
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