分封の出戻り
巣箱や待ち箱の周囲を見る限り変わった様子はなかったが、なんだか騒々しい。ふと視線を上へ向けると、樹冠に囲まれた青空を背景に無数のハチたちがゴマを振りまいたかのように乱舞している。高度は7~8mもあろうか。
分封だ!
集合板に止まって蜂球を作る段階はもう過ぎているようだ。朝にも見に来ているから、あるいは集合板で蜂球を作ることなしに、飛び出したのかもしれない。これではどうにも手が出ない。
巣内の写真を撮ると、だいぶハチの数が減っている。
しばし分封群の様子を見ていると西へ向かって移動を始めた。そちらの方向には数100mほど離れたところに大きな森がある。
が、数10m移動したところで群はこちらへ戻りだし、また元の位置で乱舞を続けていたが、そのうち1匹、また1匹と巣箱へ戻ってくる。またたくまに分蜂群は消散してしまった。おそらく女王が追従しなかったのだろう。分封はやりなおすことになったようだ。
1群が入居
元巣の周囲に置いた待ち箱には、これまでになく活発な偵察バチの出入りが続いている。なかには巣門でハチが旋風行動を始めたり、オスの飛来があったりする待ち箱もあった。しかし、午後も遅くなるとハチの出入りは急に少なくなった。巣内を撮影してみると、偵察バチが数匹残るばかりだった。
やれや、今日も入居はなかったかと落胆しながら、最後に庭の前のヤブに置いた待ち箱#5をチェックした。
巣内を撮影してみてビックリ。立派な蜂球ができているではないか。耳を巣箱に密着させてノックしてみると活発なシマリングの応答がある。蜂球の形成といいシマリングといい、女王の居る群であることは間違いない。いままでの暗い気分がいっぺんに明るくなった。
えい、やった! とばかり喜んでばかりいられない。問題はこの群がこの巣箱に定着してくれるかどうかだ。女王が既婚なら明日にでも造巣と産卵が始まり、花粉の搬入が始まる。未婚の場合、明日から数日間の結婚飛行を繰り返すので、花粉の搬入はその先になる。まだ安心できない日が続く。
さて、この入居群はどこから来たか。わがハチ場の元群からの分封群である可能性がなくはない。
夜になって元群の巣内を撮影してみた。
昼前の分封は出戻りになったが、写真のようにハチ数の減少が起きているとすれば、その前にもう1群の分封が起きていたことは十分ありうる。その群が100mほど離れた待ち箱#5へ入居しても不思議はない。それなら、集合板は役に立たなかったが、遠くに置いた待ち箱がその替わりを果たしたことになる。
追記 2018/05/16
後日の第2、第3分封の様子を見ていて気づいたのは、分封時に巣から飛び出して乱舞しているハチたちのすべてが飛び去るわけではないということ。つまり、このとき出戻りと思っていたのは、実は第1分封の本隊に同道しないで元巣へ戻ったハチたちではなかったか。さすれば、第1分封に続けて起きた第2分封の出戻りではなく、第1分封の名残を見ていたと解釈するのが一番すっきりする。
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