2016年1月5日火曜日

2回目のシュウ酸処置

最初のシュウ酸処置(12/22日)に続き、1/3日に2回目のシュウ酸処置を行った。12日後に2回目の処置をしたことには理由があるが、長くなるのでまた別の機会に触れよう。前回シュウ酸の正確な計量に苦労したので、精度0.1gの新兵器を入手した。

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新兵器0.1gまで計量できる

処置の翌日(1/4)の外検(そんな用語があるのか知らないが、巣の外から検査するだけだからね)ではハチの死骸が73匹、バロア14匹だった。シュウ酸によるものはハチの死骸が新鮮だ。ふだんでもハチの死骸は20~30匹ほどあるが、ほとんどミイラ化している。このままではハチの被害のほうが大きいではないか。

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処置翌日 新しいハチが多い 死骸73匹 南無南無!

今日(1/5)の外検はハチ22匹、バロアは263匹という結果になった。

追記 2016/01/06
ハチ24匹、バロア95匹 シュウ酸のハチへの影響はなくなったが、バロアへの影響は残っている模様。ハチの新しい死骸はなかった。

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処置2日後 バロアの死骸 263匹(これは一部)

これは明らかにシュウ酸処置の効果だと考えてよかろう。翌日ハチの死骸が多く、翌々日にバロアの死骸が多かった。シュウ酸はハチには速効性で、ダニには緩効性なのか。

今回はダニの数が多すぎてカウントに自信はないし、カウントの途中で風に吹き飛ばされるものもあったが、目安にはなるだろう。ちなみに、バロアはふだんでも自然に巣から脱落するが、その数が24~48時間に50匹を超えると早急な処置が必要とされている(http://extension.entm.purdue.edu/publications/E-201.pdf 「Sticky board test」)。

ダニのカウントは巣門と斜路、それに巣門と斜路の間に白紙を置き、そこへ落ちたものを数え、ハチについては巣門と斜路、それに巣門前の地面のほぼ1m四方にあるものを数えた。カウント後はハチもダニも清掃している。

それと1/4日の観察では、生きているバロアが斜路を歩いているのを発見。自ら巣を出ることはないだろうから、巣門から出たハチに振るい落とされたのか、衰弱して脱落したのか。ハチがバロアを振るい落とす動作は実際に見ている(「バロア(ヘギイタダニ)がいた!!!」の「追記」)が、そのときダニはすでに死んでいた。また、バロアをくわえて飛び立つハチも観察できた。巣門と斜路の間に多数のダニの死骸が落ちていることからしても、バロアはハチによって巣の外へ運び出されているわけで、ハチはバロアを異物あるいはゴミとして排除しているように見える。

とくに、バロアをくわえて飛び立つハチがいたことに興味を覚える。バロアは本来トウヨウミツバチを宿主としているのでトウヨウミツバチには耐性があるが、セイヨウミツバチにはない。その理由のひとつとして、トウヨウミツバチはグルーミングや噛みつきでバロアを排除できるが、セイヨウミツバチにはその習性がないとされていた(Purdueの同上PDF「Life cycle」)。しかし、くわえて飛び立つということは、噛みつきに近い動作で、新たな習性の芽生えが感じられる。セイヨウミツバチがバロアへの耐性を獲得する道が開けていると見ることはできないだろうか。

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