2016年1月8日金曜日

Warre式養蜂の資料

追記 (4) Beekeeping: natural, simple and successful に加筆 2016/01/14
   (6) Hive Diagnostics by Katherine and Ruth Wite 追加 2016/02/25

ハチを飼いだしてまだ半年にもならない素人がおこがましいが、これまで参照したWarre式養蜂についての資料を紹介しておく。当方の英語力がプアーなせいで解読作業は遅々としており、誤解や理解の不十分なものもあるはず。その点はご容赦。

ここでは文字化けする可能性のあるアクサンを外して、「Warre」で統一することにした。ただし、オリジナルのサイトや原著等がWarréとなっているときはママとする。発音はアメリカのYouTubeなどでは「ウォーレ」と聞こえる。後出する英国人のDavid Heafなどはフランス風に「ワルレ」と言っているようだ(耳には自信がない。ぽり)。

(1)『Beekeeping for All』  Abbé Émile Warré

これがWarre式養蜂のバイブルだ。下記(2)のサイトが原典とするWarreの著作(英訳)でもある。Abbéは僧侶のこと。
無題

書籍としても入手できるが下記サイトからPDF版をダウンロードできる。
http://www.users.callnetuk.com/~heaf/beekeeping_for_all.pdf

本書の冒頭に、Warreの養蜂についての考え方が簡潔に述べられている。

「養蜂とは最小の出費で最大の見返りを得るためのミツバチの管理技術である」


いかにも実利いってんばりの表現に見えてしまうが、ラマルティーヌを引用した序文を眺めれば、Warreの根底にはハチに注ぐあたたかい眼差しがあることは疑いようもない。

(2)Warré Beekeeping
http://warre.biobees.com/

→ エンコードを「西欧(Windows-1252)」とすると文字化けしない

無題
Abbé Émile Warré

当方がWarre式養蜂を知ったのはこのサイトからだった。このサイトをいちから読み進めればおのずとここに示す資料は見つかるのだが、そこから派生した資料もあり、自分自身のメモとしても出典を示しておこうと思った。

このサイトは、Warre式養蜂についてのほぼすべての実践知識を網羅している。そして、このサイトが『バイブル』として根拠となるページを明記しているのが、前記の(1)だ。

当方のようなWarre入門者には、次のページがたいへん参考になる。

「養蜂初心者へのアドバイス」
 http://warre.biobees.com/beginner.htm

(3) David Heaf関連資料

David Heaf(発音は「デビット・ヘフ」か)は、イギリスはウエールズ在住の養蜂家で、Warre式をベースに持続可能な養蜂を目指している。当方のかってな判断だが、状況的に(1)のサイトの運営に深く関わっているのではないかと思っている。ちなみに、『Beekeeping for All』英語版の共同翻訳者でもある。

無題
David Heaf

●David Heaf's beekeeping pages

http://www.bee-friendly.co.uk/

ヘフ氏のホームページ。

●Towards Sustainable Beekeeping
http://www.dheaf.plus.com/warrebeekeeping/towards_sustainable_beekeeping.pdf

いささかオーバーに言えば、Warre式養蜂を持続可能な養蜂の具体化としてとらえ、生命倫理の観点から養蜂について彼の考えを述べている。駆動原理は、(1)生態系資源の消費(ecological footprint)、(2)労力の投資、(3)社会への悪影響、この3つを最小限に抑えつつ、いかに養蜂という営為を実現するかである。

あまり突き詰めると、息苦しくて「趣味の養蜂」として成立しなくなるが、養蜂の新しい装置や仕組みが出現したとき、それを導入すべきかどうかの有力な判断基準を与えてくれる。

とくに、巣箱の300 x 300 x 210mmのサイズの合理性を説明したPart2は一読に値する。

●How to build a Warré beehive at low cost by David Heaf - sustainable bee-keeping UK - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1KVn-NZTfus

ヘフ自身が動画でWarre式巣箱の安価な作り方を説明している。当方、英語の聞き取りはほとんどできないのだが、冒頭、のんびり自転車を漕いでいる彼の姿を見ると、そのままヘフの養蜂に対する考えが現れているようで楽しくなる。巣箱の図面なども見事なイラストで掲載されている。当方、製作中のWarre式巣箱で大いに参考にしている。

(4) Beekeeping: natural, simple and successful by Johann Thür, Beekeeper
http://www.naturalbeekeeping.com.au/Beekeeping%20-%20Natural,%20simple.pdf

ヘフがドイツ語から翻訳した資料で、自然に添った単純な養蜂こそが成功の秘訣であることを力説している。本書はヘフの持続的養蜂の考え方に大きな影響を与えたようだ。ヘフ自身もたびたび言及している「巣箱内の熱と匂いを保持することの重要性」は、本書の中心概念となっている。

そうした養蜂を実現するのが、200年前(1945年時点から)のドイツはナッサウの牧師Christの考案した巣箱であり、Thürがそれをベースに改良した巣箱である。この巣箱は、奇しくもWarre式のものとほぼ同じ断面内寸で、やはり8本の上桟を持っている。そして巣箱の熱と匂いを保持する点で、Warre式と共通しているのだ。

(5) At the Hive Entrance by H. STORCII
http://www.biobees.com/library/general_beekeeping/beekeeping_books_articles/At%20the%20Hive%20Entrance.pdf

巣箱の外から観察された事象とその意味の説明が、季節や重要な画期ごとに表形式に羅列してある。できる限りハチの生活を乱さないことを目指すWarre式にとって、巣箱を開けるのは蜂蜜の収穫時に1回だけというのが理想。外から眺めるだけでコロニーの健全さを確認する情報が得られれば願ってもない。ラ式の内検とは対照的に、巣箱を外から検査することを「外検」と呼ぶとすれば、本書は、外検の重要な手引きとなるはずだ。

無題

(6) Hive Diagnostics by Katherine and Ruth White
https://dl.dropboxusercontent.com/u/68486342/HiveDiagnosticsTalk1.pdf

前項の(5)に触発され、さらに新しい知見も取り入れて、巣箱の外検によってコロニーの状態を診断する指針をパワーポイント風の簡潔な箇条書きで示している。大項目は、「健康な巣箱のしるし」「問題のある巣箱のしるし」「分封のきざし」「病んでいる巣箱のしるし」など。説明があまりないので、これだけでは十分理解できないが、ざっくりと外検の大枠を提示してくれる。

以上

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