2016年5月29日日曜日

ニホンミツバチの巣箱交換(ラ式からWarreへ)

��月20日、空のラ式巣箱にニホンミツバチが入った。そっと蓋を開けて様子を見ると、着々と巣が成長している。空のラ式巣箱だから、蓋に直接巣が掛けられている。

本当は、3種類の待ち箱のうちWarre式の巣箱へ入ってくれればベストだったのだが、セイヨウミツバチとはいえすでにハチの住んだ痕跡がある巣箱のほうがニホンミツバチにも好ましかったようだ。



このまま蓋から垂れ下がった巣が成長すると、掃除、ダニ対策、蜜の収穫などの作業が難しくなる。ラ式巣箱のニホンミツバチをWarre式巣箱へ移すことにした。

作業手順は、何度かシミュレーションを繰り返して、次のように決めた。

  1. ラ式の底板を外せるようにしておく。
  2. ラ式巣箱を反転させて底板を外し、仮蓋をする。
  3. 仮蓋には開口部を設けておき、そこにwarreを載せて、ハチを移動させる。
    (ハチは巣箱内を上へ移動する習性がある。さらに、下の箱をトントン叩き続けると、その動きが促進される)
  4. ラ式の巣蓋にすでにできている巣は上桟(トップバー)に固定してwarreへ移す。
  5. 最後に、逃去防止のためwarreの巣門は女王が出られない幅に狭めておく。

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仮蓋 Warreを載せる開口部を作る         Warreの上桟に竹串を固定しておく

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黄色い台の上は現在ニホンミツバチが居るラ式巣箱 手前の重箱はWarre

作業開始前にニホンミツバチの巣の現状を覗いてみた。巣に入って10日たらずでこれほどまで成長するのだ。正面から蓋を開けたので巣の一部を壊してしまった。

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蓋を開けるとき巣の端が巣箱にぶつかって壊れた 巣板は6枚あった

ラ式の底板がすぐ外れるように釘抜きであらかじめ巣箱と底板の間をこじ開けた。しかし、一カ所だけどうしても抜けない釘がある。それを無理矢理こじ開けたとたん底板が割れ、巣箱は反転して台からころげ落ち、蓋が外れてしまった。

写真ではわからないが、ハチたちがウォンウォンと飛び回り、地上のハチは巣箱と蓋の周囲に群がった。ハチもひともパニック状態。こうなってはもう蓋の上に巣箱を戻すことはできない。もどせばこのハチたちを潰してしまう。

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蓋にハチが群がりハチの羽音で騒然となった フライ返しは巣板を外すため

事前にシミュレーションした作業手順は、これですべて無になった。あとは、アドリブでやるしかない。

とりあえず、もとの巣の位置にWarre式巣箱を置いて、ラ式の巣箱に残っているハチたちをそのなかに振るい落とす。

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元の巣の位置にWarreを置く

位置を憶えている一部のハチたちは自発的に巣門から中へ入っている(すでに中に女王が居るのかもしれない)。巣門には馴染みやすいようにニホンミツバチの蜜蝋を塗ってある。

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元の巣にもハチが群がる

いったん飛散したハチはころがっている元の巣箱や蓋に集まりハチ団子を作る。他の作業をしながら、ハチ団子を新巣に振り落とす作業を数回繰り返した。

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蓋から巣板を外す 上部が蜜房と花粉房、そのしたに幼虫や有蓋巣房がある

蓋から巣板を外し上桟の竹串に刺す。巣板は手で持つだけでも崩れてゆく。それをWarreにセットしたのだが、ダメ。薄くてもろくい巣は竹串から滑り落ちてしまう。これには、巣箱をひっくり返した以上にあせった。巣板を戻さないと、ハチたちもこの巣箱に残ってくれないかもしれない。

そこで、下段の箱にも上桟をはめて滑り止めにした。さらに巣板を軽くするため上部の蜜や花粉の部分をカットし蜂児のいる部分だけを串刺しにした。もとの巣板の長さはWarreの1段より長く成長していおり、いずれにしてもカットする必要があった。

このあたりになると、手袋は蜂蜜でべたべたで、カメラの操作はままならない。というより、作業に必死で撮影どころではなかった。

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これは残りの部分 巣の蜂児が居る部分は上桟の竹串に刺してWarreへ移した 

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巣板を串刺しにしてWarreへ            巣板は6枚 上桟も6本

これでなんとか6枚あった巣板を、部分的ではあるがWarreへ移すことができた。偶然だが、Warreの上桟も6本である。

はじめWarreは3段のつもりだったが、ハチの数が多いので4段にした。巣の周囲を歩き回っているハチたちのために、仮蓋を斜路にして立て掛けた。入るのをためらっていたハチたちも、やがて巣に入っていった。

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これは自分たちの巣か?              やがてみんな入っていった



最後に、逃去防止のため巣門の高さを狭める予定だったが、ヤメた。(体格の大きい女王が出られないようにしておけば逃去は起きない

ここまでハチたちを騒がせてしまって、さらにストレスの掛かる巣門の操作をしたくなかった。もし別の場所へ行きたければ、行けばよかろう。さんざん迷惑をかけた、せめてもの償いである。


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