2018年10月9日火曜日

冬用の巣底へ

6月末から巣箱は夏用の網底になっていた。週末ごとにやってきた台風の猛襲も過ぎて、暑さのぶり返しも長続きはしないだろう。冬用の巣底に切り替えることにした。切り替えるというより、夏用の網巣底の下に、冬用の引出式巣底を追加するだけである。

夏用巣底では、巣内の温度が上がりすぎないように巣底全面を網として、外気が自由に出入りできるようにした。それは同時に、ハチたちの活動が生み出すゴミをそのまま地面へ落とし、巣内を清浄に保つ働きをもしていた。冬用巣底は保温のために外気を遮断するのでゴミが巣底に溜まってしまう。そこで、巣底を引出式にしてゴミの掃除をしやすいように工夫した。

 
冬用の引出式巣底                  掃除しやすいように下敷きを置く

作業の手順はどの巣箱も同じだ。

カキノキ群

 
巣箱リフトで巣門段から上を引き上げる

 
いったん敷板から網底を外す

 
冬用巣底を置く

 
網底を冬用巣底の上に戻す

 
作業終わり

 
掃除のときには引き出す

 
冬用巣底は吹き抜けになっている

引出部分を吹き抜けにしたのは理由がある。これまで強度や防寒を考えて裏側は閉じた構造にしていたが、そうすると掃除しにくい奥に巣ゴミが溜まってしまう。夏に向けて巣底を外したとき、そのゴミがスムシの巣窟になっていたのだ。吹き抜けにすれば引出の出し入れのときにいやでも隙間のゴミは外に押し出されてしまう。

2018年10月5日金曜日

今年も採蜜ならず

10月2日、コナラ群の採蜜を試みたが、残念な結果に終わった。
重箱式の採蜜は巣箱単位で行い、採蜜する巣箱の巣脾をすべて取出して、結果的に壊してしまう。またミツに雑物が混じらないように、同じ巣箱の中に卵、幼虫、花粉などの巣房が混ざらないようにする必要がある。
重箱式の採蜜の目安は、上から4段目まで巣脾が伸びて、3段目までが充実していることで、そうなれば1段目の採蜜が可能となる。ミツバチの巣は上から下へ成長してゆくが、ハチたちは貯蜜は巣の上部で、育児は下部で行い、育児に必要な花粉房は育児房の周辺に配置する。4段目まで巣脾が伸びるころには、花粉房や育児房は下へ移り、最上段は貯蜜房だけになっているという判断だ。PJの蜂場から引っ越してきて越冬し、ひと夏をやりすごしたコナラ群は巣門段を除くと4段あり、その条件を満たす。


巣脾の構成

上桟を取出し見台に置いたところ。斜め上からで見にくいが、上部帯状の有蓋巣房が貯蜜房、下部の有蓋巣房が幼虫がすでに蛹になっているもの。点在する開いた巣房に、花粉(おもに上部)、卵、蜂児など入っている。貯蜜が進むと全面が有蓋の貯蜜房となり、育児エリアは下段の巣脾へ移る。

はじめての採蜜だから、まえもってあれこれ段取りを考えて必要な道具を揃え当日にのぞんだ。

 
道具を揃え                     スノコを外す

細いステンレスのワイヤーの両端に取手を付けた道具で、スノコと巣箱の癒着を切り離す。スノコを外してみると現れたのはスカスカの巣脾だった。ミツはまったく見当たらない。普通なら、切り離した断面にミツが光り、巣板と巣板はもっと密に櫛比しているはずだ。

 
1段目 スカスカ

巣箱の縁をコツコツと叩いて、1段目に残るハチを下段へ退去させ、1段目と2段目を切り離す。2段めはわずかに黒っぽいミツが見えるが、荒廃の気配は覆いようもない。

2段目 黒い部分わずかにミツが見える

これでは採蜜など望むべくもないが、少なくとも1段目は外さないとスムシが跋扈することは目に見えている。1段目を外して蓋付きの大きなポリバケツに収容。2段目以下をもとの状況へ復した。

この惨状の原因はなんだ。反射的に思い浮かぶのは逃去か夏分封か。様子を見るために巣内を撮影した。

1段を外した直後の巣内

おもえば猛暑にめげてここひと月ほど巣の内部は写していなかった。たしかに前回撮影した巣内に比べるとハチの数は大幅に減っている。しかし、巣箱を叩いてみるとシマリングの反応はあり、数は少ないが花粉を搬入するハチもいる。これだけハチが残っていれば逃去ではない。では、夏分封か。それなら、上の写真くらい巣脾の底が写っていれば、新女王が羽化した王台の跡がみえるはず。いったい何だ?

失望と戸惑いにめげながら、ポリバケツを作業場へ移動して、巣箱から切り離した巣脾がこれである(写真下)。

1段目から切り離した巣脾

ミツロウを採ることはできても、ミツは採蜜の手間が惜しまれるくらいか。

気分を落ち着けてプロジェクトのリーダーに状況をメールしてみた。彼の診断は、この夏の猛暑による餌不足だろうという。巣の惨状に動揺して、逃去か夏分封かまでは疑ったが、餌不足には思い至らなかった。ハチの行動が正常に見えるし、最上段の空っぽの巣脾を取出してもほとんどスムシに侵された様子はない。リーダーが立ち会った最近の採蜜で同じような状況があったという。ハチ仲間とメールでやり取りすると、そちらでもスカスカの巣があったとのこと。どうやら餌不足と考えるのが自然だし、こちらの気分も楽になる。カキノキ群やヤマザクラ群も実質2段くらいしか成長しなかったのもうなづける。

さっそく、夕方に砂糖水を給餌した。その翌日、様子を見に行くと、こんな具合だった。

給餌器にハチ鎖が垂れている
もう給餌器に砂糖水はないが

1段減って充実した蜂球

巣門段の扉を開けると給餌器にハチ鎖が垂れていた。ハチたちは自分たちの通路を確保するために臨機応変にハチ鎖を組む。新しく巣脾を中空に延ばすときもそうだし、巣の位置が巣門から遠くなってしまったときもそうだ。前者は足場を作るためだし、後者は、おそらく板の面を歩くよりハチ鎖のほうが楽なのだろう。この場合は、給餌器のミツを吸い上げて巣脾へ運ぶために利用している。

群自体は健全そうだから、適当に給餌してやれば無事に越冬できそうだ。カキノキ群やヤマザクラ群は今年スタートした群だから採蜜する予定はない。つまり、養蜂3年にしていまだ採蜜ならずである。

2018年9月25日火曜日

アナフィラキシー

先日、ニホンミツバチに刺されてアナフィラキシーとおぼしき症状になったのでメモしておこう。

ハチを飼いだしてからほぼ3年。セイヨウミツバチとニホンミツバチに幾度となく刺された。子供の頃には庭や野原で遊んでいてアシナガバチに刺されることは珍しくなかった。なのでハチ刺され自体にあまり抵抗感がない(もちろん好きじゃないよ)。昔のことでぼんやりと思い出すだけだが、ミツバチに刺されるよりアシナガのほうは痛かった気がする。ミツバチの場合、体格に応じて刺したときに射出するハチ毒の量が多くなるから、洋バチのほうが刺されると痛い。

いずれにしても刺されれば、しばらくは痛くて、じょじょに患部が腫れてくる。しばらくすると痛みより痒みを強く感じるようになり、数日すれば何事もなかったようにもとの状態に戻る。ハチの毒を免疫治療に使うこともあるから悪いことばかりではない。

洋バチより和バチははるかに性質が温和で人を刺すことはほとんどない。だから日頃、和バチの世話は素手、素面で、手袋や面布は着けない。ハチたちが機嫌の悪いときは近づかなければいい。

その日はカキノキ群の2段目の内検をしていた。巣門側の上桟2本を上桟掛けに出してスペースを確保し、残りの上桟をひとつずつ引き出して巣脾の具合を見ていた。上桟の下面に形成された巣脾にミツが貯まっているから、それなりの重みがある。8本ある上桟の6本目を持ち上げると、何の荷重もなく上桟だけが出てきた。スターターの三角柱が上桟から外れて巣内に落下していのだ。上桟と三角柱はグルー(ボンド)ガンで接着してあるが圧着が甘かったのだろう。

 
三角柱が落下していた(矢印の先) その下に巣脾が着いている

 
上桟と三角柱のスターター            巣枠ホルダ

ちょいと焦ったので、これから先は写真を撮る余裕がなかった。

はてどうするか?

この状況でボンドで接着するのは無理だから針金で縛ることにした。

落ちた三角柱を巣脾が剥がれないように取出して作業場へ移動し、そこで巣脾に針金を通し、上桟に固定するのだ。落ちた三角柱を取りだすために、最近入手した巣枠ホルダーを使った。送料込み数百円で中国から直送してくるやつだ。いくら簡単な装置とはいえ何でそんな値段で儲けがでるのだろう?

巣枠ホルダで三角柱を掴んで、ハチがいっぱいうごめいている巣脾が剥がれないように(巣脾の底が下段の上桟に癒着しているかも)そーっと引き上げる。穏やかにという意識がホルダを握る力を緩るませたのか、途中、三角柱がツルっと滑って残りの上桟の上に落ちた。コツンという音とともに、驚いたハチたちが一斉に飛び立ち、攻撃モードで当方の顔を襲った。こちらもハッとして、動作をフリーズしたが、ときすでに遅し。左の眉にハチが張り付いた感触の直後に痛みが走った。ハチの巣は開きっぱなしだが、こうなれば治療が先だ。作業場から自室に戻って、まず薬箱からステロイド軟膏を探す。次に親指と人差し指で患部を挟むようにして毒針を押出し、軟膏を塗った。

この辺りから普通のハチ刺されと症状が異ってきた。体が震え顔は紅潮し、顔はまだ腫れていないのに、刺されてもしない両の手が赤く腫れ上がった。それに咳が出てとまらない。これはアナフィラキシー・ショックに違いない。はじめての経験で驚いたが、それ以上悪化するという感じはまったくしなかった。しばし、様子を見たが意識への影響もなさそうだったので修復作業を続けた。

 
修復した上桟だけ色が違う

顔の紅潮や手の腫れは2時間ほどで収まったが、顔の腫れがどんどんひどくなった。当日の夜は、痛みというより患部の発熱と痒みでほとんど寝付けず、朝方にまどろんだ程度。翌日は顔の左半分は腫れ上がって左瞼が開かなくなりお岩さん状態となる。それでも午後から腫れは引き出したが、痒みは依然として残った。3日目には顔の腫れはまだ残っているが、患部の違和感はほとんどなくなる。よそ目にわからなくなるまで4日ほどかかったろうか。

数えきれないほどハチには刺されているのに、なぜ今回に限ってアナフィラキシーとおぼしき症状が出たのか謎だ。次回刺されたときにどういう症状がでるかも気になる。しかし、これは別にハチが悪いわけではないので、今後ともハチとの付き合い方を変える気持ちはない。

2018年9月19日水曜日

オオスズメバチの襲来

今年はオオスズメバチの姿を見ないとハチ仲間でも話題になっていたが、ついにコナラ群の巣箱に姿を現した。

今日は、昨夜の雨上がりで快晴。経験上、こういうお天気のときにオオスズメバチが大挙押し寄せる。普通なら散発的に姿を見せてフェロモンで餌場のマーキングを済ませ、それから一挙に襲来となるのだが、今年ははじめて姿を見せたときすでに集団攻撃モードで3匹がコナラ群の巣門を取り囲んでいた。

まずは、近くに立掛けておいた捕虫網で3匹を一挙に捕らえて半殺しにしておき、家に戻って粘着トラップを取ってきた。戻ってみると半殺しが不十分だったのか、3匹が網から出て飛び立とうとしていた。あわててもう一度、網を振り回して捕獲する。この時点ではオオスズメバチは攻撃モードになっているので、失敗すると人間も襲われる。なんとか凌いで粘着トラップを設置した。

 
コナラ群の粘着トラップ

カキノキ群とヤマザクラ群にはまだ防御ネットも設置してなかったのですぐに設置して、コナラ群で捕殺したオオスズメバチを囮として粘着トラップを置いた。午後には、カキノキ群、ヤマザクラ群ともにオオスズメバチの洗礼を受けた。

午後、カキノキ群のトラップにもうこれだけのオオスズメバチ。

カキノキ群の粘着トラップ

オオスズメバチの姿が消えてしばらくすると、巣内から湧き出してきたミツバチたちは敵のつけた餌場フェロモンの臭いを打ち消そうとやっきになって周囲を走り回る。

 
餌場フェロモンを打ち消そうとやっきに走り回るミツバチたち

さあて、明日からしばらくは気が抜けなくなる。

2018年9月14日金曜日

上桟掛けの試作と内検

以前、内検するときに巣箱から取り出した上桟を置くための見台を作ったが、どうも使い勝手がよくない。

 
見台                        上桟を掛けたところ

巣箱がヤブに囲まれていたり下が草地だったりで見台を置く場所を見つけにくく、さらに取り出した上桟をそこまで移動するには遠すぎたり。

そこでセイヨウミツバチの養蜂具として売っているような巣枠掛けを作ってみることにした。いまのところニホンミツバチには巣枠は使っていないので、上桟掛けとなるか。

 
上桟掛け                      巣箱に設置してみた

引っ掛ける金具にするため数十円のL字金具を買ってきてカギ状に曲げたが、あとはありあわせの木材を使った。上左写真の左奥に見える金具を巣箱の縁に引っ掛けて、手前の板の間に上桟を差し掛ける。設置スペースを探す必要もないし、上桟の移動も最低限で済む。

カキノキ群の内検で使ってみた。

1番手前の上桟を取出したところ

上桟掛けの巣脾に日が当たってしまったが、できれば日陰になるときにやりたい。

この上桟はひと月前には、こんなだった↓

8月10日の 1番手前の上桟

春先なら遅々として巣作りが進まないと評するところだが、花の少ない盛夏のひと月ならこんなものか。


2番目も取出した(奥) 奥に幼虫が見える

2枚ほど取り出せば、巣内にスペースができるから上桟をずらしながら内検できる。巣枠だと取出して何かに立掛けて置くことができるが、上桟では巣脾が直接異物に触れてしまうから、それができない。この上桟掛けはなかなか便利。はやく思いつけばよかった。

2018年8月30日木曜日

ヤマザクラ群の盛上げ巣

ヤマザクラ群が盛上げ巣を作っている。

普通、巣箱を増設するときは下へ継箱を置く。それがハチたちが巣を拡張するときの自然のやり方だからだ。だが、あえて上に継箱をすることもある。そうすると、多くの場合、継箱の上から巣脾を作らず、下の巣箱の上桟の上に新しい巣を盛り上げてゆき、貯蜜専用の巣脾として使う。それを「盛上げ巣」と呼ぶ。

盛上げ巣には卵や幼虫が居ない。採蜜すると純度の高いきれいなミツが取れるので、養蜂巧者のベテランのハチ飼いに好まれる。ただ、よほどの強群でないと盛上げ巣は大きく成長しないというのが定説だ。

残念ながら、ヤマザクラ群は、コナラ群の旧女王が分封して入居したものと思われ、現在のコナラ群やカキノキ群に比べてハチの数が少なく、群勢もいまいちである。盛上げ巣は作ってもミツの収穫はあまり期待できない。

 
盛上げ巣が古い巣脾と癒着              左写真の癒着を切り離したら奥にも癒着が

ヤマザクラ群は巣枠式への移行を試みたが、その後、断念した経緯がある。その際、元の巣で伸びすぎた巣脾の上側の有蓋貯蜜巣房の部分だけをカットして、新しい巣箱の最上段へ移動した。上の写真右に見える黄色の巣脾はその名残だ。既成の巣脾があるので、それを伸ばすことを期待したのだが、ハチたちは盛上げ巣を作り、移動した巣脾はまったく伸びていない。ところが、今日、一番奥まで内検したところ、一番奥の上桟に新しい巣脾が作られていた。ハチたちは両面作戦を採っていたのだ。

 
癒着を分離した盛上げ巣と新しい巣脾

さてどう管理したものか悩ましいが、盛上げ巣と旧巣脾が癒着するというのは最悪なので、今後は、旧巣脾の着いた上桟はすべて回収し、新しい空の上桟を入れてみようと思う。その結果がどうなるかは、まったく予想がつかない…………

2018年8月19日日曜日

スライド丸鋸

これまで2年半ほど巣箱作りに丸鋸を使ってきて、木材を正しい位置で一直線的に切断することがいかに難しいかを知った。70代なかばともなると、重量3キロの機械を木材の応力に逆らって片手で正確に運動させることがなかなかの課題となる。とくに視力の劣化から、木材に対して正確に刃先を当てることがこれまたすんなりとはいかない。

この先何年使えるつもりか?という陰口も聞こえなくはないが、ついに登場願ったのがスライド丸鋸だ。スライド丸鋸の説明を読むと、位置調整の時間と丸鋸を操作する労力が大幅に節減できそうなのである。

DIYグレードのスライド丸鋸をあれこれ調べたが、結局、機械精度で定評の日立工機製を選んだ。手持ちの丸鋸はマキタ製だが、いくらDIY向けとはいえいささか不満だったこともある。日立工機は、この6月から社名が工機ホールディングスに変り、ブランド名も10月以降は「HiKOKI(ハイコーキ)」となるそうである。調べている途中で急に表示が変わったので驚いた。

さっそく取扱説明書を片手に組み立ててみる。といっても取説の日本語を理解するのに時間がかかるが、組み立てるというほどの手間ではない。

 
スライド丸鋸到着                   さっそく組み立て

試しに巣箱の部材8枚をカットしてみた。

 
巣箱用部材8枚

いやあ簡単、迅速、正確!!! それに丸鋸を手で操作するよりはるかに安全性も高い。まるでメーカーのCMになってしまうが、実感としてそうなのだ。もちろん、その前に丸鋸の操作でいささかの苦労を経験しているからではあろうが、早くこれを導入すればよかったと思う。

 
上桟用を掛けるアゴをカット

 
仮組み立て

 
部材の反りを矯める

いままで部材の反りなど直したことはなかったが、これだけきれいにカットできると反りも直してみたい気分になった。ははは。