2016年6月17日金曜日

ミツバチのカニバリズム(共食い)

たまたま、ローワン・ジェイコブセン著『ハチはなぜ大量死をしたのか』(2009年出版)を読んでいたらこんなくだりがあった。

コロニーのたんぱく質のレベルを調整する役割は育児蜂の肩にかかっている。たんぱく質が少なくなると、まず、採餌蜂への供給をストップする。これでも足りないと、新しく生み出された卵や、若い蜂児を食べて、たんぱく質をリサイクルする。いよいよたんぱく質のレベルが悪化すると、女王蜂のすぐ後について、産み落とされる卵を次々と食べてゆく。…………つまり、たんぱく質のレベルが低下し、育児蜂がいよいよ空腹に耐えられなくなると、彼ら(←訳書ママ)はもっとも便利なたんぱく質資源である卵に手を出さざるをえない。

また、アメリカの養蜂家ランディ・オリバー氏も、彼のサイトのコロニーの盛衰を理解すると題した記事のなかで、次のように述べている。

蜂蜜と花粉のすべての蓄えを食い尽くした飢えたコロニーは、まず卵、つぎに若い蜂児、それから発育し蜂児を共食いする。ただし、ふつう有蓋蜂児は食べない。なぜなら、有蓋蜂児には餌を与える必要はなく、これらの蛹がコロニーの生きのびる唯一の可能性だからだ。


以前の記事で触れたが、共食いはミツバチの生態系における「摂理」のようである。



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